〚2〛面接

 *.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜



 → 場違いな建物に入り込んだ俺



 バイト募集の張り紙に

 まんまと釣られた( ºωº )チーン…



 応接間みたいなところに通された


 …正直 チビりそうだ




「びっくりした?

 まぁ、見ての通りだけどね(*´罒`*)」


 四角い口でニカッと笑う

 "アニキ"と呼ばれる男性



 左耳にイヤカフ、美白で切れ長の目…

 黒光りの襟足長めのヘアスタイル


 身長は俺より少し低いくらい…

 だけど同性の俺から見ても

 めちゃくちゃ かっこいい…



「張り紙だけで、興味持ってくれたのか?」



 タバコに火をつけながら

 ニコニコ笑って話す"アニキ"…さん…



「しょ、詳細を聞きたくて ここに来ました」



 …もう、どうにでもなれ!

 ガチガチに緊張したまま 腹を括った



「キミ、騙されやすいタイプかもな?

 もう少し 疑ってかかるくらいが

 いいと思うぞ?(´▽`*)アハハ」


「…そうかもしれません」



 現に、あのオンナにも

 騙されたようなもんだから…

 買ってあげたら喜んでくれたし…

 全然 疑ってなかったし…



「大丈夫だよ…

 バイトの内容は、簡単に言うと

 姉貴の世話だから」


「お姉さんのお世話…ですか?」


「そう、楽だろ?」



 世話って?

 お姉さんって おいくつ?

 …もしかして介護とかかな?




 面接のような対話が始まる



「見た感じ細いけど 運動とか やってた?」


「いえ、特には…」


「そうか…まぁ、大丈夫かぁ…」



 運動やってないと まずいのかな?

 "大丈夫かぁ…"ってなんだ?

 やっぱ 介護かな?

 車椅子の乗り降り介助とか



「家事全般出来る?…掃除や料理とか…」


「自炊してるので 一通り 何とか…」


「で、いつから来れる?」


「…えっ?」


「金は?月に いくら欲しいの?」


「えぇっ??」


「ん〜 これくらいか?」



 提示された金額は 目が飛び出るほどの額…

 いと ゼロ多し(||゚Д゚)ヒィィィ!



 今の仕事、どうする?

 辞めちゃおうかなって思ってたら


「キミ、学生??」


「あ…会社員でして…」


「…そうか…その会社 副業ありなの?」


「あ、えっとっ…な、内緒で何とか…」

 

「…金が必要なんだ?」


「は、はい…」



 お姉さんのお世話で

 こんなにもらえるならって

 思ったけど


 就活で苦労して内定もらえた今の会社も

 捨て難い…



 正直迷いもある…



 二刀流で頑張ってみて

 心身共にキツくなったら

 どちらかを切るしかない…

 体力はある方だ!



 一応聞いてみる…



「あの、お世話って…例えばどんな…」



 "アニキ"さんが

 光沢ある革張りの一人掛けソファに

 深く腰掛けると



「そうだなぁ…」

 胸の前で腕を組む


「食事や掃除もそうだけど…

 虫が つかないように見張ってくれる?」


「虫…ですか?」


「あぁ…虫っていうのはオトコね!

 うちの姉貴、美人だからさ〜♡」


 目尻をさげた"アニキ"さん…シスコンなの?

 そのアニキさんの見た目で

 "虫"を追っ払うこと出来るんじゃ?



「本当は俺が世話したいんだけどぉ

 ウザイとか言って嫌がるんだよね〜

 風呂とかも一緒に入りたいのにさ〜!」



 大きな伸びをしながら

 フロア全体…隅々まで通る声で話す



「お、お風呂っ…ですか…!(⊙д⊙)」



 応接室の扉は半開き


「風呂は さすがに無理っすよね〜!」


 舎弟みたいな人達が

 わちゃわちゃしながら ドッと笑う



「…ガヤは気にするな」



 半開きの扉をギロっと睨みながら

 低い声で アニキさんは言う…



 怖くてチビる…5秒前



「じゃあ、先に姉貴 紹介するから

 ついてきて!」


「え?!…は、はい…」



 嘘…決まり?なの?




 *・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:




 一旦 外に出ると

 先程見上げて 目眩を起こした隣の建物へ…


 どデカい 自動ドアが開く



 "マ、マジ?ここに住んでるのか?"



 左手はズボンのポケットに…

 右手で暗証番号を素早く押して

 もうひとつの自動ドアを開け

 中に入るアニキ…さん



 うわ…かっこよ……((( *´꒳`* )))ポワワーン



 コンシェルジュ?みたいな受付の女性が

 スっと立ち上がり

 アニキさんに一礼すると

 その女性に向けて

 サッと片手を挙げ 奥へと進む




 だからぁ…かっけぇ〜んだってぇ( *°∀°* )♡




 アニキさんの2歩後ろを歩いて

 数台あるうちの1つのエレベーターに

 乗り込んだ


 ボタンは 1、10、20、30、40…

 そして 開閉ボタンしかない


(;´∀`)…うわぁ、スゲっ!

 他のエレベーターは各階止まりってか〜



 40階… 案の定、最上階


 エレベーターの扉が開くと

 数十歩先に玄関が…



 ドスンっ…



「ご、ごめんなさいっ!!! か、帰りますっ!!!!」


「え、ちょ…ちょっと!!!!」



 誰かと誰かの会話がドア越しから聞こえる



「あ゙ぁ??」


 アニキさんが…

 ドスの効いた低い声を発した




 ガチャ!!!!


 タイミングよく玄関ドアが開くと

 そこには



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る