君に届くまで〜カタギの俺には資格がないの?〜
keco
〚1〛詰んだ…
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
それは突然だった…
「仁くん…別れよ、私たち…」
付き合って一年弱
合コンで知り合った 年上のカノジョ
久々に会えたと思ったら 別れ話かよ…
「……だろうな」
理由は すぐわかった
目の前で申し訳なさそうな演技をしながら
俯いてる このオンナが
欲しがっていたアクセサリーを
いくつも身につけているから
俺が買ってやろうと
常に残業していたせいで
会う日も減ってたし
「…金の切れ目が縁の切れ目って
「…いや、そのぉ」
「…お前に いくら使ったと思ってんの?」
「これいいな~って言っただけで
買って欲しいって言ってないのに…」
「はぁ?何だそれ…」
人の厚意を…
コイツ…ふざけてやがる…
「金を作るのに
生活もギリギリに切り詰めて
残業も無理やり突っ込んで
仕事しまくってたんだぞっ!!!!」
こんな奴に腹立てるのも
とことん…バカくせぇ…
「…はぁ〜お前さ、いつか刺されるよ?」
「なっ…!」
「もういい…(* ̄▽ ̄)ノ~~ サイナラ!!!!」
くたばれ、ク〇女…
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
家に着くと
郵便受けには たくさんのお手紙が…
請求書の皆さん
ようこそお越しくださいました〜
って…
「馬鹿だよなぁ…」
ちょっと いい女だったから
繋ぎ止めるために 湯水のように出費
ちょっと考えればわかるのに
夢中になると周りが見えなくなる
…ん?好きだったのか?
今となっては 気持ちもよく分からない
冷静になってから気づくとか 遅すぎ…
お手紙たちを順番に目を通してみる
中には マンションの管理会社から
契約更新の知らせも…
「うわっ、更新料 高っ!」
ただの平社員…
あの女の為に貯金も切り崩して
金のため 仕事に明け暮れていた日々…
後悔しても遅い…
この歳になって
今更 親にも迷惑は かけられない…
致し方ない…
「金になるバイト、探すかぁ~」
怪しいバイトには
引っかからないように…
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
次の日
会社に行くと 背中に勢いよく
張り手する同僚の
話しかけられる
「おはよう!
「痛ぇな!…おはよ!」
「何?浮かない顔して…」
「あ、そう見える?」
ちらっと昨夜のことを話してみた…
「あぁ…やっぱりね…
この前、見かけたんだよ あのオンナ…
おっさんと手ぇ繋いで歩いてた」
「あぁ…パパ活ってやつか…」
「だから あの女は やめておけって
言ったのに…」
「お前の言う通りだったな…ハハッ…」
「近いうち、合コンでもする?」
「いや、しばらくオンナは要らない…
それより金が必要だ…」
「うわぁぁぁ…言い方!…アハハハッ!!!!!」
「あ!お前んとこのBAR 募集してたよな?」
会社に内緒で知り合いの店で
バイトしてる哲…
「この前、新入りが来たばかりだよ」
「うわ…遅かったかぁ…( ºωº )チーン…」
コソコソとこんな話をしつつ
ここで 地に足をつけて
真面目に頑張るしかないか!なんて
当たり前の結論に達したりして…
「はぁ〜(´Д`) ついてねぇなぁ」
*・゚・*:.。.*.。.:*・゚・*:.。.*.。.:
"もう残業なんか する必要無ぇんだぁ!"
今日は定時に終わらせて
この後の予定もなかったから
たまに 歩くか…運動不足解消だ
ブラブラと2駅くらいの距離を歩いた
どこかでバイトの募集とか してないか
キョロキョロしながら歩いて
坂道を登りきると
キラキラとライトアップされた
一際目立つ 高層マンションが
ドーンと目の前に現れた
「うわっ、すげぇ…おしゃれぇ〜!
こんな家に住んでみてぇ(。・о・。)ワオ…」
1番上まで見上げて…
目眩が(; 𖦹 - 𖦹)フラァ〜…ヤベェ…チーン
そのマンションの横
こちらも おしゃれな ビル…
ゴールドで縁取られたローマ字が
やたらと目立つ
── 〚Suga Real estate agent〛 ──
…不動産屋か?
そういえば…
部屋の更新、どうすっかなぁ〜
視線をビルの出入口に移すと
そこには "アルバイト募集"の張り紙…
「ぅおっ!キタ━(゚∀゚)━!」
俺って 運がいいんじゃない?(´º∀º`)w
詳細を聞くために 建物の中に入った
*.゜。:+*.゜。:+*.゜。:+*.゜
→〚Suga Real estate agent〛
磨りガラスの自動ドアが開く
・・・・・・(´°‐°`)アレ?
「えっ……」
…っ…間違えた…?
ここ、不動産屋…だよな?
キョロ(゚∀゚≡゚∀゚)キョロ
「ん?何か用?」
そこには…ビシッとスーツを着飾った
コワモテの かっこいいお兄さん達が
一斉にこっちを見た…
ひぃぃ…(||゚Д゚)やばい…
とにかく、ここを出ないと…
「ま、間違えてしまったみたいです…!
すぅ、すみません…」
ジリジリと 足を後退させるけど…
「な〜んだ、家探しか
バイトの張り紙見たのかと
思ったんだけど…違うの?」
振り向くと
俺のすぐ後ろにも
別のお兄さんが立っていた…
ビクッΣ( ˙꒳˙ ; )
「いぁ、両方…ま、は、張り紙ぃ…デスネェ…」
ダメだ、怖い…
後退りも出来ないチキン野郎…
ニコッと笑った 後ろにいたお兄さんが
こっちを見ながら
「アニキぃ~!バイト面接みたいっす!」
と、デカい声で言った…
あ、あ、ぁぁアニキって…
もう確定じゃんよ、ここ…(´°ω°)チーン
「おぉっと!イケメンが来たな!ハハッ!」
奥から 現れた
アニキと呼ばれるお兄さんが
近づいてきた
「んで?…間違えて来ちゃったの?」
そう言って ニヤっとしながら
俺の顔を覗き込む
「い、いえ…ば、バイト…のぉ…?」
「やっぱそうだよね~!いや〜よく来たな!
褒めてやるぅ!」
ワシャワシャと頭を撫でられた
(||゚Д゚)ヒィィィ!
だぁぁあぁ……詰んだぁぁ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます