第23話 PCX一人旅 SUGOへの道
今日はSUGOの二輪感謝祭。すこし風が強いが、多くのライダーが集まる。年に二度しかないライダーのお祭りだ。行かないわけにはいかない。
自宅をでて、いつものようにコスモスラインを走る。今日はHonda GOの通販で購入したバイクウェアを着ている。肩パットや肘パットがはいったすぐれものだ。サーキットを走るならこれぐらいは必要だ。だが、SUGOに直行せずに、すこしまわり道をすることにした。まずは、コスモスラインのループを走る。外回りの右コーナーだ。今回も同じ傾きでは走れなかった。強風の影響もあり一定スピードで走れなかった。またチャレンジだ。大森トンネルを抜け、川崎町に入る。休みの日なのにすれ違うバイクがいない。皆、SUGOに行ったのだろうか? それなら嬉しいものだ。
山形自動車道の下をくぐり、右折。村田町足立(あしたて)をめざす。適度なカーブと上りが続く。上りの加速がいい。そういえば、先日ハイオクを給油していたのを思い出す。オフィシャル仲間から「加速がよくなるよ」と言われたので、やってみたが、まるで別のマシンになったみたいだ。満タンにしても100円しか違わない。やってみる価値はあったと思う。
途中で、川崎町支倉に行く道に入る。フラットなコーナーが続く。前を走っている他県ナンバーのロードスターが道を譲ってくれた。別にあおったわけではないのだが、追い抜きをさせてもらい、左手をあげて礼をした。支倉から村田町菅生に行く道に入る。いつもは菅生から支倉にくるのだが、今日は逆方向だ。風はあるが、適度な上り下りと左右のカーブがある。他に走っているクルマやバイクがなく、マイペースで走れるのは嬉しい。
途中で菅生の町並みと菅生PAが見える。SUGOは間近だ。
SUGOに到着。レーシングコースでは模擬レースをやっている。体験走行は12時40分からなので、まだ2時間以上ある。パドック内をぶらぶら歩く。サーキットのVR体験をするとライダー目線がよくわかる。レースの時にオフィシャルでフラッグを振っているが、案外よく見えないもんだと思わされる。早め早めのフラッグが必要だと思わされる。
パドックではガレージセールやフリーマーケットを開いている。いつものプラモデル屋さんは今年も出店していた。バイクでなかったら買ってもいいと思うのが売っている。
一回りするとトライアルコーナーで、デモランをしていた。お二人のライダーが障害越えや風船割りといった妙技を見せていた。いつもながら感心させられる。
その後は、ライダーのトークショーである。サーキットアドバイザーの須貝さんと秋吉さんの二人を始め、若手の桐石ルカさん。ST600に参戦中の長尾健吾さん。今回のトークテーマは大型免許。須貝さんは免許をとるのに7回かかったと言っていたが、長尾さんは一発合格だったとのこと。大型免許がとりやすくなったとはいえ、一発合格は素晴らしい。あとのお二人は教習所でとったということだ。4人の話を聞いていて、一番の収穫は秋吉さんの
「300kmで走っていても、相手も300kmで走っていれば速度差0km。怖いとは思いません。301kmなら1km速いなという感覚ですね」
さすがプロライダーだ。300kmを怖いとは思わないのだ。レーサーが最初に捨て去るのは、まず速さに対する怖さだということだ。100kmで怖さを感じる私は到底レーサーには向かない。
トークショーが終わり、食堂で牛タンカレーを食す。コースではバリバリコースとビギナーコースの体験走行をしている。バリバリコースはコーナリングもうまい。時間があるのでスマホを見ると、暴風警報発令とでている。10m以上の風がふいている。
12時40分。プロライダー先導による体験走行開始。いの一番にコントロールタワー脇にいくが、そこでPCXを停め、他のマシンをコースインさせる。この時はオフィシャルとしての誘導係に変身である。私の後ろにモンキーが並ぶ。最後尾を彼に譲る。
スタート。最初はスピードが出ていないので、あまり風を感じなかったが、レインボーコーナーで猛烈な風を感じる。カウルに身をかがめるが、スピードがだせない。90kmをだすのがやっとだった。前のマシンから大きく離される。馬の背で追いついたが、2周目も3周目もバックストレッチは緊張の瞬間だった。後ろのモンキーは登りの10%勾配でもおいついてくる。古いマシンなのによく整備されている。
走り終えて、帰路につく。でもふつうの道ではつまらない。それで正面ゲートからでずに、脇道のモトクロス場に行く道を選ぶ。ふだんはゲートが閉まっており通れないが、今日は開いていた。この道はビッグレースの際に臨時駐車場からシャトルバスが走るところである。急なカーブと登りがあり、ヘアピンの走り方が要求される。九分九厘対向車が来ないのでおもしろい道だ。モトクロス場脇の道は落ち葉がいっぱいあり、神経を使う。交差点を過ぎて、県道に続く細い道に入ると対向車がやってきた。すれ違えない幅ではないが、相手は停まってくれた。風が強いので、ふらつく可能性があるので道を譲られるのは助かる。
蔵王町に入ると、ヘルメットのシールドに雨粒がつきはじめた。上空は青空なのに、お山からの強風が雨粒も運んできているのだ。制限速度で走るのが精一杯だった。
今回のデータ
出発時刻 9時30分
到着時刻 14時00分
走行距離 66km
消費燃料 1.5L(推定)
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