Evening Starの捜索者 舞台「青空メロディーズ~3rd&Last melody~」より

 ほんとうは敵など討ちたくなかったのですが、期待させてみたら夜のご馳走プレートは明日早いってLINEだと届かないらしくて。香りは洗剤でも落ちそうにないや…

 味見したての21時29分…まぶたの後ろがゴロッとして来た。

 風が気持ちいいなぁ

 この街の夜は、ゆったりとウミガメのように泳いでく。まとめ買いして先週末にいっぺんに生まれた、そんなに地球を照らし出すキューブだって金曜ロードショーに集まる一家のまんま。おれは天使に今買ったばかりの10Lのボイル鍋を撮って送るけど、明日の朝はジャガの皮むき一緒にしようねとボイメして小さな入り口にチョコを提げておく。魔法を使ってチャイムが何回か鳴ったらいいのに。

 明日は試合明けのホームパーティが顧問の家であって、マネージャーには来る約束をした。

 標札通りに荷物が届かなくてwebで12桁打ち込んで再配達をお願いする。ほら、政府は荷物そのものを運びきるためというか、荷物のセールで増えるときあるじゃん、それも配達員さんがえこひいき思いつかないようにってことだと思う、こないだマネージャー言ってたな。まぁ、家族だと夜のチャイムはゾッとする。インターホンにもっと寄ってなんて言葉が喉に詰まってしまう。照らすのはモノでいいのかもしれない。


 その夜、湖で溺れたウミガメを夢に見た。


 朝、カーテンを開けると真っ白だった。

お風呂は考えてなくて、あなたは修道女の背中をさすって頷いてる、いや早乙女のイメージが飛んできて修道女に見えたのかも知れない。この世界の玄関なんてダムのように堅牢で、排他的だから。

「あっためとく、パンあるよ」

いつ帰ったか聞く代わりに、彼女は息が出来てるかしらってくらい瞳はカッと見開いているのでハンカチで汗を拭う。

 幽霊が角の取れた車から朝露の代行をしている。


「そういえば舞台みにくるの?」

「え、心配出来たの?」

ぼくは学校で学ばなかったことがある。歴史は繰り返すって言葉を言う代わりに先をイメージできておれは車を売って、探偵が張り込みの報告書まとめられるようにいつもここにいるの。

 老人みたいな小学生っているじゃん、あ、病名があるというものではなくてね。雰囲気でみんなが囃す方。

「誰もみな、言葉と行動が一致してないわけじゃないから。ほら、旅行なんてそう」

「うんうん、仕事だって好きが一番だけど踏み出すのってその瞬間だけでもそばにいたいもん。読めないとこだって、ほら逃避行って言うの、向こうに置いてかないとこおれはまた会えたじゃん 嬉しい」

「夜の街はなかなか更けてかないわ」

「一緒に作ろう!そういうとこフィルター越しでも可愛い」


おもちゃを待つ子どものように

いくら言葉が喉につっかえても叫んだっていい。

あの夜と海峡を挟んだ、向かい合わせの墓地の島を見つめてそっと歩き出せたら

気を失ったように炎の波をかき分けたから、半球した甲羅の到着は傷だらけかもね。


勝負に出るvalueな衣を、古い青空で海のこちらから編集するとコマがこぼした球の息吹を

誘い

火山の噴き出した狼煙に

抱かれる夢の、名残惜しさの瞳の暗闇

そっと前を向いている人類

ラピスラズリの御守り

灯台が変わって無人島の空想をもアイスで塗り固めてしまう

重いよと

罪と罰に代わって

知恵の実を結ぶ

平等と平安の浄土よ

泳ぎ、その先に

誰もみな退屈をしのいでく門の入り口に立つ

踊る段ボールの老人は

あなたの残した原っぱで眠って古いタキシードを着るよ

おでこ可愛い シゴデキスタイル出て調子いいんだから!落ち着いたんだね

おれ滝壺から手を伸ばすよ、壊した分より5個多く野生に帰そう。畑に積もる舞い降りる枯れ葉が唄うあの収穫の季節を2人で越えたように。




尾久守侑「日向坂の敵討」(『悪意Q47』思潮社、二〇二〇)より冒頭一文を抜粋

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