墓地から③ 舞台「Giselle in Haunted book store」より
テーブルには燭台が並んでいる
大広間の3人組の笑い声は物憂げに聞こえて来る
馬車の故障で婦人の胸元を彩るビーズが残った皿にいっぱい
遠くに行きすぎて火花を散らす視線を外したならば
歯のある景色はヴェールをして
くすんだ時計が転げ落ち
ビーフジャーキーはポッケで燻製が進む
キャンバスの娘と踊った
底の方で毛糸を弄るアリが影をつくる
いくら扉の内側へ忘れたくても
遅れて咲いた金木犀が微かに香る窓辺に
氷を選んでいたつもりが
泡の中で彼女の魂が
亡者の身体を蝕む
浸透圧くらい
元気なそれは
まぶしくなってスパイスを求めて
ずっと空き家の塔に一目散
指揮者の部屋は布団ごと宙に浮いていた
なぜ団欒がおがくずのようになったといえようか
無辜の犯した罪に代わって人間を生み出そうというのか
古の図書館で暴き立つ何度目かの罪の意識がプライドを傷つけるから
いざ、魔法をかけようというのなら
世界に生まれた誇りを括り付けた対岸に戻る
ここではアリの影は行進を続けている
小さな喜びを授かる
青ざめたいちょうの木で鳩が不気味に歌うのを知っていて
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