第114話 おうちへ帰ろう
薄赤く染まった空に
解けそうなひこうき雲が二本
ゆらゆらゆらゆら広がって
やがてふわり消えた
空の端の端の端の方
この辺りではもう夜への
準備が始まっていて
私は心なしか歩く速度をあげる
まだ昼なのに、も
もう夜なのに、もどちらもいらない
今は今でしかないから
見えないひこうき雲
闇を増していく空
輝き始める月
全部全部抱きしめたまま
さあ、おうちへ帰ろう
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