11 先端がほつれた紐

 こちら『先端がほつれた紐』でございます。


 どこかで見覚えのある形状ですが、気にしたら負けでございます。

 ここは、おおらかな気持ちで全てを受け入れるのが、コピペ流テヌキ派への第一歩となります。


 レイヤーは統合せず、画像変換前の元データを残す癖をつけましょう。

 バックアップは大事です。

(できてないひとが多いぞ!)


――――


 チッと舌打ちしながら、結んでいた紐を外し、ページ順を並び変える。

 その作業中に別の死亡イベントを思い出し、まだなにも書かれていない紙に書いて、紐を通す。

 死亡イベントばっかりでうんざりする。

 六歳児の小さな手で、たどたどしく紙に紐を通していく。

 手先の訓練には最適だ……って、これは知育玩具じゃないから!


「……ペンが普通にあるなら、紙も前世仕様に合わせてくれてもよかったのに……」


 不満が声にでてしまった。

 紐の先端がほつれてきて、穴に通しにくくなってきた。


――――(『お転婆令嬢は破滅フラグを破壊してバグの嵐を巻き起こす~激ムズ乙女ゲームに転生したけど攻略キャラの設定がおかしいです』本編より)


「お兄さま、紐ですわ」

「そうだな。紐だな」

「紐の切り口に元気がありませんわね」

「ほつれがひどいな」

「これを採用したら書記官たちが苦労しそうですわね」

「そうだな。コスト削減方法と忍耐の使いどころを間違っているな。パンチ穴を補強するシールも併せて購入しておきたいところだ」




〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉

https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023212425485429



〈この作品は……〉

2-25.あたしが目指すもの

https://kakuyomu.jp/works/16817330667671419555/episodes/16817330669669254393

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