10 鳥の姿焼き
こちら『鳥の姿焼き』でございます。
異世界の食べ歩きに最適。
異世界のデートのお供に最適。
夜中に小腹が空いたときに最適。
…………かどうかは謎ではございますが、食べ物には間違いございません。
見た目は若干、良心の呵責にさいなまされ、追加ダメージとして、食欲減退の効果があるとか。
ですが、その壁を乗り越えてアタマからバリバリといくと、意外と美味らしいです。
なにごともチャレンジだということです。
――――
護衛任務中のふたりはアツアツの串焼きを急いで食べていたが、オレとドリアはのんびりと他の店舗を眺めながら食べ歩きを楽しんだ。
「マオ、どうだ?」
「うん。美味しいな。パリッと香ばしくて、ジューシーだ」
「そうだろ? 鳥の姿焼きは、あそこの店が一番、美味しいんだ。わたしのいちばんのお気に入りなんだ!」
「そうなんだ……」
ドリアはとても嬉しそうだったよ。
鳥の姿焼きのなかでは、さっきの店がいちばんのお気に入りなんだな……と、オレはひとり納得した。
――――(『勇者召喚された魔王様は王太子に攻略されそうです〜喚ばれた先は多夫多妻のトンデモない異世界でした〜』本編より)
「お、お、お兄さま、記念すべき、10品目ですわ! 見てください! あんなに元気だった小鳥さんが……変わり果てたお姿に」
「なんと、獰猛な奴らだ。売られた喧嘩は10倍の値で購入するのが、ファンタジーの流儀だ!」
「お兄さま、でも、ちょっと、美味しそうではありませんか?」
「…………曾祖父の代から毎日継ぎ足している秘伝のタレに、秘境のユズレンクッコロコショーがピリリとアクセントになっているようだな」
「スミビヤキだそうですよ。キンチョータンを使用しているそうですわ」
「ウム。異世界ダベログによると、評価ポイントも高そうだ。ちょっと、ビジュアル的にはナマナマしいが……パリッと香ばしくて、ジューシー……らしいぞ」
「お、お兄さま! そこはチェックです! ブックマークですわ! 今度のオデカケは決まりですわね!」
「いや、やはり、それは、対外的にやめた方がよろしいかと……」
〈イラスト掲載先・近況ノートに飛びます〉
https://kakuyomu.jp/users/morikurenorikure/news/16818023212372101714
〈この作品は……〉
第30章−3 異世界の一番はたくさんあります(3)
https://kakuyomu.jp/works/16817330660778992634/episodes/16818023212300889914
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます