【運】

俺は昔から運がない

たった一枚・・・たった一枚・・・積み上げたティッシュの山から拾うだけで

他の一枚が落ちた

何故と考える・・・堕ちる要因はないのに

何が悪かったのか、体温か、それとも拾う仕草が僅かにおかしかったのか

分からない、分からないが一枚は落ちた

それを身を折り、拾い上げる

何故、こんなひと手間をしなくてはならないのだろう

些細な事だと思うかもしれない

しかし、そんな些細な事が何度も日常に訪れる

他の人はこれが当たり前なのか

それを経験した上で平気に生きているのだろうか

他の人間と自分を対比する・・・それにしても

何度もそんな事が起こるのが俺の日常だ

そんな積み上げが俺の人生だ

死なないだけ幸運なのだろうか、

幸いにも体は五体、四肢は残っている

それが代償なのか、なら、それは

嬉しくはないな

薄幸の美人、そうなら、それでいいが、俺は平凡な人間だ

それ故、こんな些細な事の積み重ねが俺を苦しめる

当たり前の日常、それが思い通りに進まない。

何か大きな事をするわけでもない。当たり前の、そんな日常

・・・家を出る時も、街を歩くときも、

何か見えないものが、俺の外から俺を見ていて、そして悪戯に弄る

そんな事が昔から、いっこうに離れる事はなかった

今迄、何度も理解の外からの妨害に会う

浅博故か、そして知識を溜めこむ

しかし、それでもこの【運】と言う奴は日常の中影を潜み、俺を妨害してくる

いい事何てまるで無かった

それが現状だ、知らないだけかもしれないが

今、生きているだけで幸福、と言われればそうかもしれないが

それでもこんな奴とこの先、一生付き合わないと考えると

些細な事・・・そんな積み重ねが俺を苦しめる、それが・・・

辛くて仕方が無い

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