眼科の治療中です 後
二十代前半だった頃のことです。
下瞼にメバチコができたのを放っておきました。入社二年目だかで仕事が忙しかったし、そのうち治るだろーの精神でした。若さ故ですね。重症になるほど自分は健康を損なわないとでも思っていました。ほんとバカ。
ところがある朝、起きても左目が開きません。下の瞼が腫れて目が開かないのは初めてでしたので動揺しました。しかも超痛い。触ってみると(触ってみるなよバカ)恐ろしく硬い。何か大変なことが起こっている・・!
会社を休み、近所に眼科があったので行ってみることにします。これが正しい判断だったのかは今でもわかりません。目薬をもらえば放っておくよりも早く治る!多分!くらいのノリで出かけること、徒歩五分程度で良かったと思いました。片目では歩きにくい。
帰り道で遠回りした時なんかによく前を通り過ぎていた病院です。まさかお世話になる日が来るなんて思っていなかった。古びているものの個人開業医にしては大きな建物という印象でした。←偉そうにすいません。内装が木造っぽくて天井が高かったのを憶えています。診察室に呼ばれて診てもらうと、患部を容赦なく引っ張られて痛かった記憶が今蘇りました。おのれ・・。
どうも幾つかの麦粒腫が寄り合って合衆国を築いたのだそう。
「切りますねー」
「えー、切」
いてえ。切るって言ってる途中で切りやがった。いつからメス持ってたんだろう。おのれ・・!!!
余談になりますが、この数年後。熱で倒れそうになりながら訪れた他の病院でインフルの検査になり「これ痛いんだけどちょっとだけ我慢してね」と言いながら「痛いん」くらいのところで頭掴まれて検査の棒を鼻に突っ込まれることがありました。だからその棒いつから持ってたの?
あれは泣いた。診察室の隅っこで結果が出るまでシクシク泣きました。あんなに静かに泣いたことはありません。熱があって節々も目の奥も痛いし耳は聞こえないのに休日出勤した翌日の月曜。苦しいし鼻痛すぎるし騙し討ちが悔しいし。結果インフルA。
一人暮らしの家まで辿り着けるか不安でした。近いしインフルだからタクシーに乗るわけにもいかないし。フラフラでしたが前日の休日出勤で行きつけのラーメン屋さんに「風邪ひいたっぽい」と愚痴ったらネギを山盛りにしてくれたのを思い出し自分を鼓舞して歩きました。中国人の彼は私のことを、上司の嘘がきっかけで「オニイサン」と呼んでいました。オネエサンや。新宿三丁目勤務時代の数少ない楽しかった思い出です。
はい。麦粒腫の話に戻りますね。
ゴリゴリに腫れているのを引っ張られて、無理やり開かれた目の前に迫り来る切っ先。その直後ブシャァッと色々と飛び散ったのが見えた。え、汚ねΣ(゚д゚lll)
つーか痛い。けど患部は若干スッキリしたかも。でも引っ張られたところはイテエ。すげえイテエ( ノД`)…少なくとも目は開くようになった。痛いけど。麻酔しないって言い伝えは本当だったんだな。いてえ・・・・・
こんな一大事の後、何事も無かったかのように診察室を追い出されたのだと思います。何かあったら恨んでいるか感謝している筈だから。
処方箋をもらって隣の薬局に行くと5mlの目薬を一つ出されました。
―――――大手術したんだよ?
↑ メスで切られたの初めて
「・・・これだけでいいんですか?」
「・・・いいと思います」
ねえ断言してよ?
もっとこう、あるでしょう?
この件はSNSでも書いたから憶えています。
それ以来その切開した場所に時々メバチコが出来るようになりました。
・・・・・失敗された?
あの薬だけではやっぱり・・・!?と今でも不安になったりならなかったりします。まあ仕方あるめえ。その度に治ればいい。
痛みは引きましたがメバチコの触感がまだ幾つか残ってるので、完治するのにもう少し時間を要しそうです。できるだけ薬を塗らずに治したいなーと思っているので治りが遅いですね。あんなに懇願して薬出してもらったくせに。
だって薬塗ったところ乾燥するんですもの。皮がぽろぽろたくさん取れます。只今脱皮の最中です。
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