第5話 2学期からの異変

 2学期になった。

「ハァ〜、、、もう夏休み終わったの?短すぎない?」

毎年いつものように思うことだが、やっぱり短いことは短い。

「皆さん夏休みお疲れ様でした、、、、、、休みが終わったからこそ身を引き締めて、、、、、、これからも頑張りましょう、、、、、、」

先生の話をボケーっと聞いていると、ある事に気づいた。

陽向がいなかったのだ。

一学期は毎日なんだかんだ登校していたのに、なぜなんだ?

もしかしたら夏休みのせいでボケが生まれたのかなーっと一応思っておこう。


 でも、そんな思いも数日過ぎることによって打ち砕かれる。

一週間たった今でも、一向に姿を見せないのだ。

クラスのみんなも気づき始めたようで、いないとわかったときには少しざわつくようになった。

ーー少しの不安を抱えながら、一ヶ月過ごすことになった。ーー

1ヶ月後。

おかしい。おかしすぎる。

毎日登校していたあいつが不登校?せめて給食の時間は来るとか、そういうのがあるのでは?

まさか、、、夏休み前に見たナンバープレートが隠された車、夏休みが終わって陽向が来なくなったこと関係しているのか?

一応念の為今日の放課後陽向の親に確認してみるか。


放課後。みんなにバレないようにこっそりと陽向の家まで飛んでいく。

ピンポーン。チャイムを鳴らすと数秒後、ガチャリといえが開く。陽向のお母さんだろうか。

「すみませーん、あまりにも学校に姿を見せなかったので、心配で来ました、、、」

するとしばらく間が空き、こんなことを言った。

「あ、、、あ、、、ああ、、、!!」

「ひ、陽向が、ゆ、誘拐、誘拐されたの!」

私の思考回路がしばらく停止した。やっとのことで出た言葉は

「は?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る