モダンタイムス

この作品は伊坂幸太郎さんの作品だ。

前回の感想文があまりにも自分の話ばかりだったので今回はちゃんと作品について触れていこうと思う。


この作品は、いわゆる続編に位置する作品なのだが、正直前作にあたる「魔王」を知らなくてもすんなりと読むことができる独立した作品だ。


あらすじは、システムエンジニアとして働く恐妻家の主人公が、とある仕事を引き受けたことをきっかけに不可解な現象にあう。勇気をもってそれらの真相を明らかにしていくといった話だ。


個人的に伊坂幸太郎さんの作品がすきでよく読むのだが、この作品はハードカバー版だけでなく文庫版も出ている。あとがき曰く、ハードカバー版と文庫版では物語の内容の細部が違うらしい。


僕は文庫版を読了しただけなのでその細部がどう違うのか計り知れなかったのだが、この物語自体がもともと独立したものであったが打ち合わせを行うなかで「魔王」の続編にすることがきまり突貫的に話が展開されていったんだそうだ。


それだけでも個人的にはすげえ!って思うのだが、それだけではなく。心理学の参考書籍をもとに話を展開していくさまもこれまたすげえ!と巻末を見て思ったものだ。



心理学の参考書籍にかんしても後学のために僕自身読了しているのだが、そこから物語へと落とし込みそれが自分の知識をひけらかすような文ではなくワクワクさせ、話に引き込んでいく文体はさすが伊坂幸太郎と諸手を上げて賞賛してしまう。


彼の作品全体をみてもそうなのだが、彼が書く作品の多くは癖がなく非常に読みやすい。また読んでいて非常にわくわくするような物語の展開に僕はいつも楽しませてもらっている。


日常にあるかもしれないSF(すこし不思議)を書かせて右に出るものはいないんじゃないかなと個人的には思う。


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