私が思う、小説を読む理由

夜留 愁

私が思う、小説を読む理由

 

 単刀直入に聞きます。小説は好きですか?



 私は初めは嫌いでしたが、段々と小説の魅力に気づき、好きになりました!



 もちろん、世の中には小説が大好きな方、嫌いな方、どうでもいい方と、さまざまですよね。



 しかし、「小説を読む理由がわからない」という言葉は、聞き捨てなりませんでした。



 ということで、今からその理由を二つ述べていきます。



 一つは、「他者を理解するため」です。



 家族構成を「母親、父親、自分」と仮定します。この場合、兄弟がいないので、姉、兄、妹、弟の大変さはわかりません。身近に兄弟がいて苦労している人がいなければ、その苦労を深く理解できる日は来ないかもしれません。



 しかし、自分が読んでいる小説に、兄弟がいて苦しんでいる人物がいたらどうでしょうか。大変さ、家庭環境は千差万別ですが、どんな苦労があり、それをどう感じているのかは理解できると思います。



 「それは漫画でも理解できるのでは?」と思った、そこのあなたと、思っていないそこのあなたに、さらに説明をします!



 漫画では登場人物の苦労を、イラストと吹き出しで表現しています。イラストと本人の言葉で、その苦労は読者の心に直接伝わってきます。



 では、小説はどうでしょうか?小説は、言葉のみで表現しています。喜怒哀楽だけではなく、言葉にできないモヤモヤ感、動作などが細かく書いてあります。



 感情が書いてあれば、読者は登場人物の気持ちをすぐに読み取れます。



 ですが、登場人物の動作のみが書かれてある場合もあります。この場合は、その動作から感情を読み取らなくてはなりません。



 例えば、「主人公は下唇を噛み締めた」という一文があったとします。これを読んで、主人公は喜んでいると、思った方はいますか?



 いないと思います。この一文の前後を読んでみないと、主人公の感情を正しく予想はできませんが、少なくとも「喜び」を表現しているとは思えません。



 このように、動作から感情を理解しようとすることと、「相談」が似ていると感じました。



 人から相談をされた際、大体このような形になっていませんか?



「ねえ、聞いてよ。昨日、お店に並んでたら、割り込みされたんだよ。そのせいで、数量限定のケーキ買えなかった。マジで最悪」



 このように相談をされた場合、相手はいつ、どこで、何があったか、そして、その時の感想を話すと思います。



 この時に、「じゃあ割り込んだ人に、私並んでるんですけどって、言えば良かったじゃん」と言うのは良くないですよね。



 明らかに、相談者のことを否定しているようにしか見えません。当たり前ですが、人間は過去には戻れませんし、思ったことを言える人、言えない人がいます。



 この返しでは、さらに相談者を傷つけてしまいます。



 では、どう返したらいいのか。時と場合によりますが、一般的に言われるのは、「大変だったね」と、相談者の気持ちを代弁することです。



 このように、発言から相手の感情を読み、共感することと、小説を読んで、登場人物の感情を理解することは、似ていると思います。



 漫画を否定するわけではありませんが、漫画だと感情表現が、かなりわかりやすく描かれていると思います。


(漫画の魅力の一つですよね)



 もし、「小説を読む理由って何?」と聞かれたときには、「自分とは違う他者を理解するため」と答えるのはいかがでしょうか。

 


 小説を読むもう一つの理由は、「自分を理解して伝える」ためです。



 最初に出した、「家族構成を母親、父親、自分」の仮定を思い出してください。



 自分は一人っ子です。しかし、周りは兄弟がいる人たちばかり、ということにしましょう。



 なんだか、寂しいですよね。



 でも、自分が読んでいる小説に一人っ子の人物が出てきて、一人っ子の辛さ、一人っ子でしか体感できない良さが書かれてあったら、共感するのではないでしょうか。



 書いてある内容はフィクションであっても、なんだか自分だけじゃないのだと思えて、安心しませんか?


(私はめちゃくちゃ安心しました!)



 前半にもあるように、小説では感情などを言葉で表現しています。



 もし、自分の大変さを解消したい、周りに伝えたい、相談したいと思ったときには、読んだ小説が参考になると思います。



 登場人物の言葉を借りたり、行動を真似してみたりするのは、いかがでしょうか?



 自分の気持ちの度合いや環境、考えなどを詳しく伝えるのなら、小説のほうが参考にしやすいかなと思います。



 体験談を聞くのもすごく良いと思います! ですが、聞きづらいなと感じる人は、小説を探して読むのもアリだと思います。




 ここまで、私の長ったらしい意見を読んでくださり、ありがとうございました!



 もしよろしければ、感想など書いてくださると嬉しいです!



※最後に、これらは私の体験をもとにした意見です。



 鋭利な言葉での文句は、私の(カバー)ガラスの心がパリーンと粉砕してしまうので、できるだけ柔らかい言葉でお願いします。




P.S. 「どうして小説を読むのww」とバカにされたときに、「理由を人に聞いている時点でダメだあー」と言うのもイイかもしれない……。

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