第五話 これで全部…だからさっ!(完)

「分かった!分かったからっ!全部きりきり話すからっ…指を動かさないで〜」


駄目だ!…この態勢は…アウトだっ…

これじゃみっちゃんの寸止めエッチから…逃れる術がないっ。


「はあはあ…み…みっちゃん…話すから…お願いだから…その中指と人差し指を抜いて…」

三月「…」

「は…あっ!ああっ!!お願い抜いて…何でも…何でも話すからあっ…頭がおかしくなっちゃうよ〜」


―◇―


はあはあ…ま…真弓先輩は…あたしの新人研修のときのトレーナーでさ…その時は秋山先輩もいたんだけど、真弓先輩があたしの班の班長だったの。


うん…あたしも色々経験があったからさ…下心があるなあ…とは思ってはいたんだけどさ…さすが遊び慣れている社会人は違うな〜と思うくらいには真弓先輩の接し方ってスマートだったんだ。


…で、研修最終日にお付き合いを懇願されてさ…あたしも真弓先輩の過去のプレイボーイぶりは噂で聞いたんで秋山先輩にお伺いを立てたんだ。

そのときはもう秋山先輩があたしの配属先の先輩になることは分かっていたからさ。


三月「秋男のやつ…なんて言ったんだ?」

「『…まあ…お前ならあいつも本気になるかな…良いんじゃない?』って」

三月「ふ〜ん?」

「あたしも正直寂しくてさ…真弓先輩の不快にならない誘い方って気持ち良かったんだ」

三月「んで?…研修最終日にはフォーリンラブですかっ?」

「…みっちゃん…それはアラフィフにしても古いよ…不快にならない誘い方って言ったでしょ?…そのときは告白だけ」


それからは、お休みのたんびにデートして…1ヶ月後にデート帰りの車の中でキスして…触られて…


三月「なんだろう…さっきのたかしさんへのノロケよりムカつくかも」

「聞いてきたのみっちゃんだからねっ!…大体ねっ、みっちゃんなんか付き合って半年経ってもキスさえしてくれなかった…待って!待って!そ…それだめ…指は駄目ぇ〜」


そ…それでさ…3ヶ月後の試用社員期間解除の日にさ…デート2次会の赤坂のバーで言われたんだよね『赤プリにお部屋を取ってあるからそこで飲み直そう』…ってね…うん、もう覚悟は決まっていたよ。


「お部屋からの夜景が綺麗でさ…慣れた男は違うな〜とか思ってたらいきなり抱きすくめられて…『良いよね』って」

三月「…」

「手慣れたディープキスで口の中を蹂躙されてトロ〜んとしている間にいつの間にかブラウスのボタンを外されていて…あっという間にベットの上に」

三月「…」


「それから真弓先輩…あっという間にあたしの中に入ろうとしてきたんだ」

三月「…は?」

「…」

三月「…比喩無く物理的に?」

「…うん」


「…痛くてさ…」

三月「…」

「…思わず足を伸ばしたら…先輩の顔に当たっちゃったんだよね…」

三月「…」

「先輩、最初からあたしの足を抱えて屈曲位で入れてきちゃったからさ…思わず」

三月「…ぷっ」

「…笑わないでよ…」


先輩は、何を勘違いしたのか『経験が少ないんだね…大丈夫…痛いのは最初だけだから俺に任せて』とか言ってきてさ…またあたしの足を抱えようとするから思わずひっぱたいちゃってさ…

「何で前戯も無しに入れようとするんですか!?」って言っちゃったんだよね。


「そしたら『この…ビッチ!』とか言ってくるからさ…あたしも頭にきて『先輩のへたくそ!』って…大喧嘩になってそのまま絶交になっちゃった」


三月「なるほどな…これが『鶴姫』伝説の始まりか(笑)…やっと腑に落ちたわ」

「…なによそれ〜!!」


三月「…いや…秋男に聞いたことはあったんだよ『沙織ってなんで『鶴姫』って言われてんの?』って」

※この場合の『鶴姫』って、決して良い意味だけではなく『見てくれは良いけど中身は煮ても焼いても食べられない』の意が含まれていた。


「…先輩…なんて?」

三月「…いや…誓ってあいつはなんにも教えてくれなかったんだよ…ほんと。…たださ」

「…ただ?」

三月「あいつ『なんとか鶴姫で収まるように社内調整を頑張ったんだよ』って…『ほんとは速見のやつ冷凍ミナミマグロ女って言われかねなかったんだ』って」

「…そんなあだ名が広まっていたら自殺してるわ…」

三月「いや…おまえは自殺するくらいなら、関係者全員ボコボコにしてから会社辞めてると見た!」

「まあ…そうだね~」


―◇―


「だからさ…真弓先輩を一人と一応数えるとさ…大学時代4人・社会人で一人・これに高校時代の痛かっただけの2人でさ…7人なんだ…あたしの経験」

三月「…それが言いたかったの?」

「…うん」


三月「…なんで今さら話そうと思ったの?」

「…だって…みっちゃんが昔気にしていた…って」


三月「…誰に…聞いた?」

「そりゃ…達也と香緒里に」

三月「あのガキども!」

「いやいやいや…達也も香緒里もあたしたちとおなじアラフィフ…ガキ扱いは…」

三月「お前だって達也のことガキ扱いしてたじゃん」


「まあまあ…これで満足したかなみっちゃん。なんなら高校時代も話すけど」

三月「いや…そんなに気を使わなくても」

「昔さ…妹ちゃんは『兄妹でも夫婦でも言わないほうが良いこともある』って言ってたけど…あたしはそうは思わないんだよね」

三月「…」

「あたしは…言わないで失敗してきちゃったからさ」

三月「…うん…ち…ちょっと待って!雰囲気が変わったぞ…沙織?」


「だから…今度こそ教えて欲しいんだ…みっちゃんの『ひとみさん事件』を」

三月「…それも達也んとこから?」

「…うん…あいつなんか調べたみたいなんだけど…脅しても何しても話さないんだよね…だから思い当たったのさ…多分、本当にみっちゃんにとって重要なんだろうなって」

三月「…それでも知りたいの?」


「うん…今まではぐらかされてきたけど…話して欲しいんだ」


―◇―


本編は一旦終了です。

「ひとみさん」事件は別の媒体で発表したことがあるのですがまあ…酷い(三月の所業も)話でして…三月はこれだけは沙織には話したくないだろうなあと…

また何処かで触れるかもしれませんが今はここまでということでご容赦いただけますとありがたいです。





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【一万PV超えありがとうございます!】うちの嫁はロリ顔で仕事が出来て…エロい! ヘタレちゃん改 @kansou001

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