第25話
魚人との戦いの日から6日が過ぎた時だった。
「ついに場所の特定ができました。」
田中が少し興奮気味に話しだした。
「なに⁉️本当か?」
「まだ確定はしていませんが、移動していた反応が止まり、そこから動いていません。」
「え?何?何の話?」
「前に逃げる魚人に発信器を取り付けたんだ。」
「あ!あの最後に魚人を追いかけた時?」
「そうだ。駄目元で引っ付けたのだが上手くいったようだな。」
「なるほど、そんな事をしていたんだ。私はてっきり田中さんに言われて生け捕りしようとしたのかと思ってた。」
「そうか!その手があったか!そこまで頭が回らなかった!くそっ!」
「いや、流石にそれは言われても俺もやろうとはしなかったと思うぞ?」
「そうなのですか?それは残念。まあ、それでずっと移動していた反応が特定の場所で止まったんですよ。」
「え?って事はどういう事?」
「魚人の住みかか拠点か、何かは分からないが今度はこちらから攻勢をかける事ができるって事だ。」
「え!ならそこを攻めたらもう安全になるっ事だよね?」
「それは分からない。他の場所にもあるかも知れないし、そこだけかも知れない。」
「そうです。分からないけれど、そこを調べる事ができれば魚人の文化レベルや生態、分かる事が多くあるはずです。」
「確かに生態とかが分かれば何か対策できる事もあるかもしれないもんね。それで場所はどこ?」
朱音が少し興奮気味に聞いた。田中が地図を指し示しながら
「この辺りですね。この辺りには島も何も無いはずです。」
「となるとやっぱり海の中なのね。」
「この前の実験の成果が早速必要だな。」
「そうですね。水中での戦闘となるとまず勝ち目はありません。朱音さんの真言で魚人を水から出す必要があります。」
馬場が朱音の肩を叩いた。
「お前の
「えー、できるかな?深さもあるだろうし。」
この前の検証では深さや広さが何処までできるのかは試していない。
「できるできないじゃなくてやるんだよ。」
「海上自衛隊には話しをつけてあります。道中で色々試しながら向かいましょう。」
「うう、やだなあ。」
「まあ、どれくらいの範囲で深さがどれくらいかは事前に航空機による調査で調べます。それを想定して検証してみましょう。その結果次第で作戦を考えましょう。」
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