第16話 夕木春央と私
さて、突然だけれど小説を読んでいると「ああ、作者ってきっとこういう人なんだろうなぁ」と勝手な憶測をすることがある。あくまで憶測だ。それは私自身も自戒している。それを踏まえたうえでちょっと語りたいなぁと思うことがあったりする。
それは、「ああ、この人女性が怖い(不気味)なんだろなぁ」と思うことがあるのだ。「進撃の巨人」の作者、諌山創さんにも思ったことがある。なんというか、女性のキャラクター全般を抽象化すると一定のテンプレートが奥に存在する気がするのだ。はっきりと線を引いたような潔癖さをもった不文律が。その潔癖さが「理解できないものをはっきり区切っている」感じがするんですよねぇ。別にそれがいいとか悪いとかじゃなくてね、性別女性で女性として生きてきた自分は「女性ってそんなわかりにくいかなぁ。こちらからしたら、結構わかりやすい生物なのだけれど」と思うのですよ。まあそもそも今は女性や男性を区切るのは風潮として良くないんでしょうけれど、けれど一個人としては思考の大きな部分で性別がもたらす区切りは存在していると感じているのでそこを無視して相互理解は存在しないと思っていたりする。こういう考え自体、時代遅れなのかなぁ。そう考えるとへこむけれど。あ、もちろん、それで全員を区切ろうなんて思ってないです。大事なのは勝手に区切って一定のテンプレートを押し付けないことだとは思っています。そこに善悪を付与しないことがすごい大変なことなので、そもそも区切らないほうがいいのかもしれませんけどね。おい、じゃあ私何を語ろうとしてるんだ。ごめんて。ただね、夕木さんの話を読んでいるときに、ちょっとニマニマしてしまう私がいるのだ。何にニマニマするのか。それは、
「守んねぇぞ、守んねぇぞ。女性はそんなに自分の中の規律を守んねぇぞぅ。けけけけけ」
という悪魔的な私だ。夕木さんの作品は傑作だと思う。あ、大前提をいうの忘れてた。申し訳ない。ちゃんと本棚に収まってる。私「あ、これ二度は読まないな」と思う作品はバンバンブックオフに持っていく人間なので。じゃないと本棚爆発する。一人暮らしぞ。借家ぞ。抜けるわ。底が。でも本って私、絶対に捨てられない人間なのでブックオフに持っていく人。「あ、これ値段付けられないんですけれど」と言われることあるけれど、そのあと捨てられるのだろうけれど、自分じゃ捨てられないからブックオフに押し付ける人。あとは図書館利用派。小説は紙派なのよ。どうしても。(おい、どこの媒体で話をしている)はいー、どうでもいい話しました。戻します。
夕木さんの作品に出てくる女性って、結構、一定の法則性を持ってる人が多い印象なのよ。ネタバレになるのだけれど、言わないと決めたら言わないし、殺すと決めたら殺す。発狂している人はずっと発狂している。そういうの見ると「けけけけけ」と悪魔の私が笑うのだ。私が見てきた女性は、どちらかというとその法則性を軽やかに変えてしまう。そこに女性性を見出してしまう。すごい極端な例をいうと昨日まで「いや、夫にもいいところがあるんだよ」と言っていた人が突然、「うちの旦那まじ最悪」と言ってきたりする。それはもしかしたら「え、人が変わった。怖い」と思われるのかもしれないが、私からすると「あ、割り切った」という印象だ。そういう法則性を一夜で舵切できちゃうところこそ、女性の美点だと思ったりする。じゃないとホルモンに揺さぶられる自分の感情とうまく付き合っていけないって。なので、「あ、この彼氏役に立たないや。こーろそ」が「この彼氏のために私は命を捧げても構わない」に代わっても驚かない。そして、それは強さでもないのだ。組み立てる力がなくなると女性はあっという間に壊れる。男性から見える女性の強かな部分は結構女性側から見ると危うい。そういう一面が女性にはあると思っている。
なのでね、夕木さんの作品に出てくる女性はちょっとファンタジー味を帯びてしまうのだ。だからこそ魅力的なキャラを作れるのだとも思うけれども。特に「十戒」の里英ちゃん。はい、壮大なネタバレになるので、読んだことない人はバックをお願いします。
守れん守れん!絶対にお父さんに暴露するって。無理無理無理。この異常な事態で一つの約束を守れる女性は相当自分の中に譲れない芯がある子じゃないと無理って。英雄レベル。女神レベル。いやまじで。だからこそ死ななかったんだろうけれど、いや、きついて、マジで。しかも一人じゃないんだよ。自分を愛してくれているとわかっている父親がそばにいるんだよ。無理て。無理だよぅ(泣)断言できる。私が里英ちゃんならば、1時間、いや10分、いや秒でお父さん言う。そして私がこの犯人ならば即殺す。信じない。そこにかけない。見守らない。見守るのが母性と思うか。違うて。個人的には父性。もっというと見守る、に関して自分の中のロジックを変えないのは父性。見守る、に関して自分の中のロジックを変えるのが母性かな。この犯人は圧倒的に自分の中のロジックを固定しているキャラなので、そこ変えるかなぁ。あーでもそこが人間味でそれがこの犯人のキャラに魅力を与えているのかも。「審判者」的な。そもそもこういう思考を生み出しているところこそ、小説として魅力的なんだけれどね。でも里英ちゃんのこれからを思うと…泣くわ。強く育つだろうな。秘密を守るって、本当にきつい作業だと思う。それは明確に人に見せることがない箱を自分の中に持つということだから。分かち合えないのだから。自分でその箱を作るのではなく、人から箱を与えられるのはきついわぁ。だから秘密を頑なに守る人物は涙腺を撃破していくんだけれどね。「白夜行」とか「青の炎」とか。あ、私の涙腺は撃破されないけれど。なぜなら無理だからな!私には!!自分の中にないものは人に求めないので、ファンタジーになるのです。そういうキャラ。だから、綾川さん、怪盗キッドさん、「秘密にしてくださいね」なんて私に言ってこないでくださいね。無理ですから。秘密を誰かと分かち合って、雑談させてください。ね、皆さん^^
作家と私 K.night @hayashi-satoru
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