bookstoryOnlin ~貴方の紡ぐ物語~
甘党七味
第1話
『Book story online』通称BSO。
世界中で主流となっているVRゲームで今、最も注目を集めているゲームだ。
公式HPによると、世界観は王道の『剣と魔法』の世界らしい、更に人間と何ら変わらない程の超高性能AIを搭載したNPCを採用したファンタジーMMORPGだ。
これだけなら高性能AIを使用しただけのありふれたVRMMOなのだが、このゲームが注目されている最大の理由は、あらゆる魔物を召喚出来ると言ううたい文句のせいだ、例えばドラゴン、例えばフェンリル、例えばグリフォンなど、このうたい文句にケモナーや普段動物を飼う事が出来ない人達に大いに刺さったのだ。
このゲームの最大の特徴は、プレイヤー全てが
「ようやく届いたか」
普段は育成ゲームに時間を費やしている社会人、
そんな事はどうでもよくて、ようやく念願の『Book story online』が届いたのだ、βテストの抽選には落ちたがリリース直前の購入予約には成功したのだ!普段はほのぼのとした育成ゲームをしている為攻略ガチ勢ではなくエンジョイ勢確定だがそんな事はどうだっていい!ようやくプレイでいるのだ、βテストを落選した時から今まで待ちに待ったのだ楽しみで仕方がない!
「ご飯は食べた、風呂にも入った、水分補給もした、準備は整った!いざプレイ!」
VRゲーム専用機器、コフィンの電源をつけ中に入る、目の前に浮かび上がったディスプレイ『Book story online』に触れながら目を瞑る。
そこしの浮遊感を感じる、この感覚が終わると、上下黒色のジャージの姿で、図書館の中にいた、空にはファンタジーにありそうな四角形の本棚が空にいくつも浮かんでいるのが確認出来る
「おぉ~、このゲームのロビーは図書館か趣があって良いな~」
「ありがとうございます」
「ん?」
声がした方に視線を向けると、そこには美しい女性が立っていた、腰まで伸ばした艶のある黒髪、染みも皺もない透明感ある肌まさに大和撫子の体現者の様な女性、服装は執事の様なスーツを着こなしている、微妙にミスマッチ感があるがそれも気にならない、そんな女性は此方に微笑んでいる。
「貴方は?」
「申し遅れました私、当図書館の司書を務めております、アナザーと申します。」
「あ、此方こそ挨拶が遅れました、本条 要人です。どうぞ宜しくお願いします、えーとそれで司書とは?」
「フフフ、そう緊張なさらないで下さい、司書と申しましたが実際はキャラクタークリエイトのお手伝い並びにゲーム開始の待ち時間のお相手を務めるだけの存在でございます」
「あぁ、なるほど」
「ご納得頂けたなら幸いです、それでは本条様、キャラクタークリエイトに参りましょう」
「あ、はい」
陰キャのサガかな、喋る前にあが出てしまう、悲しいな
「まず初めにキャラクターの性別は変更出来ません、また、身長も±5cmまでしか変更出来ません、これは現実との差異を限りなく抑える為の処置ですので、ご了承下さい」
「はい」
「それでは、本条様には名前と種族を決めて頂きます」
これは決めている、変に名前を変えていざ名前を呼ばれた時に自分が認識出来る自信がないので、普通に下の名前をカタカナに変えて
「カナメで」
「承認されました、以降カナメ様とお呼びさせていただきます」
「続きまして、種族をお決めになって下さい」
そう言われた直後目の前に自分が現れた、これはコフィン購入時に登録されているものだ、それと様々な種族が書かれているディスプレイが現れた。
どうやら種族を選べば目の前の自分がその種族に変わるらしい、何処が変わるか分かりやすい、先に種族の説明を見てみるか。
『人間』・・・・補正なし
『獣人』(犬・猫・狐・熊・ランダム)・・・・身体能力にプラス補正、察知技術にプラス補正、魔法系統にマイナス補正
『精霊人』(エルフ・ドワーフ・ホビット・セイレーン・ランダム)・・・・魔法系統にプラス補正、各属性系統にプラス補正、各属性系統にマイナス補正
『ランダム』・・・・世界に生息しているあらゆる人属からランダムで種族が決まる
「えーと……確認種族のランダムと最後のランダムについて説明ってもらえます?」
「承知致しました、まず初めに獣人のランダムは犬、猫、狐、熊の4つの種族を含む獣人全てから決まります、例えば鷹などの鳥類からなる獣人等になる事が可能です。
次に精霊人のランダムはエルフ、ドワーフ、ホビット、セイレーンの4つの種族を含む精霊人全てから決まります。例えばサラマンダー等があります。
最後にランダムはその字の通り全ての種族からランダムで決まります、何になるかは完全にランダムです。
補足といたしまして、人属について説明させて頂きます。人属とは人型で尚且つ体の中に魔石と呼ばれるものが存在していない種族を指します」
「あ、はい……じゃあ、ランダムで」
言いながらランダムを押す、その瞬間目の前の自分が白と黒に点滅しながら変わっていく、3秒程で点滅が終わり現れたのは額に日本の捻れた木の様な角に目が爬虫類の用に縦に割れ、更に尻尾が現れた、尻尾には魚の様だ鱗がついている。
カッコいい!これはなかなかの当たりではなかろうか?とりあえず説明文を読む
『
正、物理系統にマイナス補正
「トリッキーだなー」
「変更されますか?」
「うわ!びっくりした」
「驚かせてしまい申し訳ございません」
「あ、いえいえ~」
びっくりした、此方から話しかけなくても、喋りかけてくるんだ。
「見た目は人間とそう変わりませんがどういたしましょう?」
「んー……じゃあ、この種族で」
「かしこまりました、髪の色の変更が可能ですが、どういたしますか?」
「あー、髪色を薄い紫にしてあとはお任せできますか?」
「承知致しました」
アナザーはそう言い右手を挙げ指パッチンをした、直後幻人に変化した自分の色が変わっていく、髪の色が薄い紫色に、目が赤に肌が少し白く流石高性能AIカッコよくなっている
「これで大丈夫でしょうか?」
「大丈夫です」
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