第40話 『第2じごくステーション』 その4


 会社で裏金作りをやらされ、結局、責任をなすりつけられて、地獄に落とされたサラリマンの物語だった。


 『やむおえなかなったのか、すぐに、辞職するべきだったか? 内部告発すべきだったか? しかし、何れにせよ地獄は許さない。また、上司は、やがて、最恐地獄に堕ちたのだが。』


 と、締め括られていた。


 あまり、楽しい映画ではなかったが、1時間は過ぎた。


 『おまたせしましたあ。』


 と、現れたのは、他でもない、地獄の女王さまであった。


 『まあまあ、またまた、良くない夢に悩まされましたね。』


 『ああ、ヘレナさん。帰れないんです。』


 『でしょうね。夢というよりは、臨死体験になっちゃいましたから。』


 『あらま!』


 『まあ、歳だからね、仕方ないよ。でも、あなたには、まだわたしの伝記を完成させてない、という弱点があるわ。ただし、お金は稼げない。それを承知するなら、返してあげましょう。』


 『お金もうけは必要ないけど、多少は、食費がなくては、話にならないよ。いまは、ひたすらマイナスだからなあ。』


 『そうね。まあ、努力することね。』


 『それだけ?』


 『それだけね。不足? 了承したら返してあげるわ。医療費は自費で払いなさいませ。いい?』


 『まあ、仕方ないです。』


 『判った。では、判定を申し渡します。あなたは、地獄にも天国にも必要がない。現世に放逐します。おわり。一件落着〰️〰️く🎵』


 ヘレナ女王は、ヴァイオリンを弾いたのです。


 『タイスの瞑想曲』です。


 汽車は、ゆっくり、第2じごくステーションから旅立ちました。



          🚂…….............🎶🎵















 


 

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