第36話 眠れ、子供達

「はぁー、つっかれたー」

「うん、タンノーしたー」

みーちゃんとゆきちゃんがぐったり寝そべっている。

ようやく街から帰ってきて、みんなで屋台の買い物をつまみつつ、ゴロゴロ。

ぼくも今日はご飯作る気ナイナイ。


眠れ、子供達。ここからは大人が暗躍する時間だよ。

おやすみ、良い夢を。


…はっ寝てた。

お風呂入ってないや。いつものことだけど。

あれ?今日はいつもの天井だ?


「へっへーん!早速行ってきました!」

「ええっ!?うそ!」

「うそーん。実は、ツバサヘビ式の空間拡張、生き物入れても大丈夫なんだ。こっそりスラりん入れて連れてって温泉に置いてきたの。今頃温泉に入ってると思う。」


「どうしよ、どうしよ、迷子になってないかな」

「ネッターさん過保護。あの子野生だし、森より温泉の方が適応しやすいよ」

「うん、合意の上だから。ここがいいって言ってたから」


そっか…。僕も頑張ってお家買わないとな。

夢のスライム付きペンションかぁ。ユキグモフリーだし。

お仕事頑張ろう!


「しばらく特許関係とペンション契約関係でバタバタするから、今のうちに辺境ラボに顔出してくるね。お土産リクエストあれば聞いとくよ」

「おうち!よっろしくー」

「温泉楽しみにしてるね」


というわけで、何やかんやして、何とかペンションの契約が終わりました。

家持ちになってしまった。

家具家電も買いました。みーちゃんが絶賛張り切りました。


女の子って何で買い物好きかね。

部屋と買うものと予算を決めたら、集中力がすごい。そして妥協しない。

配分のメリハリセンスは敵う気がしない。


「ちっちゃくていいから可愛いスペース作らせて!」

という圧に負けて、ウオークインクローゼットがやばいことになってます。

これ独身男性の家に在っちゃいけないヤツではないかな。


「森風もできる?」

という圧に負けて、ウオークインクローゼットの隣の部屋が森になりました。

森風なんだけどオシャレなマチの部屋なのはブレてない。

みーちゃん何でもできるな。


「君たち、スラりんテクスチャじゃダメなの?」

「最初に見本がなくっちゃ!」

「ホンモノは一味違うんだよ。オレ、アーバンユキグモ名乗ろうかな」


楽しそうでなによりだよ。

着々と君らの秘密基地になってるけれど、一応ここ僕の本邸(予定)だからね。

「うん、わかってるって。」

「生活エリアはネッターさんの使いやすいように整えるから」


スラりんまで来たらこれどうなっちゃうんだろ。

露天風呂跡地はスラりんのお部屋にするか、ツバサヘビの水影用にするか、迷うな。

「どっちも常駐じゃないから共有にしたらいいと思うぜ」

「え、君たちは常駐する気なの?」

「こんな素敵なお部屋が出来ちゃったら、ちょこちょこ遊びに来たいよ」

「サービスでクリーン魔法かけたげるから。いいよね?」

「たまにご飯作ってあげるから。いいよね?」


ま、いっか。

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