第32話 家は買う前に下見が必要です
とりあえず、みんなで別荘の内見に行くことになった。
売りに出しているのは街の不動産屋さん。
みんなで街に行ってみることにした。
みーちゃんは特許出願中のアバター魔法で尻尾を隠して。
ゆきちゃんはいつものユキグモ迷彩で姿を隠して。
二人とも街は初めてなので、ドキドキワクワクだ。
「ネッターの巣はすごいんだよ!群れのくせにバラバラの家に住んでて、でも1匹にちょっかい出すとみんな出てきて襲われる感じ。あとねー、役割がすごく多い。欲しいものはピンポイントでこっそり狙わないと、駆除されちゃう。」
「ゆっくん?街を襲ったの!?」
「いや、森に近い方は狼系とかの無謀なヤツがたまに肉取りに突っ込んでバトってることがあってさ。街中までは全然ムリ。」
「ゆきちゃん?ルールを守らない子は流石にお留守番だよ?」
「わかってるって。攻撃しないで隠れて見てるだけ。どんなのか興味あってさ。ネッターの言葉がわかるようになって、意外と話が通じるから興味が湧いちゃったの」
「美味しいもの色々あると思うから、気になる時は合図して。そしたら私がネッターさんに聞いてみるよ」
「ありがとー!楽しみ!」
街に着いて、二人ともキョロキョロ興味津々だ。
「何見てるの?」
「美味しい匂いが複雑に混ざり合って流れてる…!」
「(みーちゃんは鼻が良いしゆきちゃんは匂いを視てるっぽいし、気になるよね)」
「不動産屋に行く途中で、ちょっと街中の屋台街を通ってみよっか」
「何あれ、色んな魚のヤマになってる!」
「ああ、海の方から持ってきて売る仕事の人だよ」
「あの肉を焼いているのは?」
「あれは、猪の吊るし焼きだね。切ると肉が硬くなっちゃうから、切らないまま丸焼きにして、削ぎ切りにして売ってるんだよ」
「お腹空いてくるね…」
「うん、帰りに色々買って帰ろう。ちゃちゃっと用事を済ませてこようか」
街中の一角に、色んな物件のチラシを貼った窓がある。一部屋から一軒家まで色々。一番上にお目当てのペンション。うん、この店だ。カランコローン。
「いらっしゃいませー」
「すみません、ペンションの件で連絡していた者ですが」
「こちらにどうぞー」
資料と写真を見て、結構良さそうだったので、現物を見ることにした。現地はちょっと離れているので不動産屋に足を出してもらう。僕とみーちゃんが乗った後に、ゆきちゃんが隠れて屋根にくっついた。
「この子乗るの初めてなんで、ゆっくり目でお願いします」
「安全運転で行きますね」
大丈夫かな?二人とも頑張って!
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