第6部 悪夢の同期会(中編)
「…ん、ここは..........。あり.....?なんでボク全裸なんだ.....??.....!?!?!?」
目を覚まし周りを見渡しても数秒何が何だかわからなかった。数時間前までボクが何をしていたのかを。何故誰もいないのかも。だが、それの存在に気づいた瞬間ボクは背筋が凍りついた。
「..........モゾモゾモゾモゾ」
「.......!?ボクの隣で誰かが寝ている.....!?!?」
ウソだろ!?!?何かの間違いだと言ってくれ。ボクはいるのかもわからん神様にそう願っていた。
「というか隣で寝ているこいつは誰なんだ!?というか何で全裸なんだ!?ダメだああ何も覚えてないというか何も記憶がない。というか思い出したら全てが終わる気がする」
そう思ったのだが恐る恐る布団をめくった。
「おはよう.....。というかよくあんな状況で寝れたね。私は結局一睡も寝れなかったよ」
そう頬を赤くした裸姿の千景が寝ていたのだった。
〜時を戻して同期会の前日に遡る〜
「1回生だけで同期会やるんだって?」
大学のお昼休みお昼ご飯は食べてたボクとムックの隣に桃さんと涼ちゃん先輩がやってきた。
「桃さん、榎本先輩お疲れ様です!本当は札駅近くでやる予定だったんですが、千景と音葉の部屋で同期会やろうって事になりまして」
「千景ちゃんと音葉の部屋なら私の部屋の隣でやるのか.....」
帯広から来ている千景と音葉は涼ちゃん先輩と同じ大学の寮に住んでおり共同部屋に住んでいる。ちなみに涼ちゃん先輩の部屋は共同部屋なのだが、涼ちゃん先輩以外誰も住んでおらず1人で悠々自適に住んでいるようだ。
「同期会そっちのけで2人のバカどもが榎本先輩の部屋に突撃しに行くと鼻息を荒くしながら語っていたので、その時は2人をよろしくお願いします」
「鍵かけとくわ」
「同期会やるのはいいけどねぇ、場の雰囲気に呑み込まれて羽目外さないようにね。椋木、あんたがちゃんと周り見てあげなさいよ」
「お、オレっすか!?」
そういえばムックと桃さんは高校の先輩後輩の中だったんだよな。
「桃さん心配ないですよ。蓮司やボクもいますし、バカが多いヤツらですけど、羽目を外すまでバカ騒ぎしないですよ。そこら辺ちゃんとわかってますから」
「ならいいんだけどねぇ.....」
同期会開催当日、千景と音葉の部屋には急用で来れなくなった恋と隼人のカップルを除いた総勢7名の1回生が集まった。
「えーと、演劇部入部して1ヶ月半程が過ぎましたが、同期会を開けて良かったと思いま.....」
「蓮司長いから省〜略〜!!!みんないつもお疲れ様ー!!乾杯〜!!!」
「乾杯〜!!!!!!」
横浜が蓮司の長くなると思ったのか挨拶を遮って乾杯の音頭が鳴り響いた。
今日の試合観戦の振り返り、涼ちゃん先輩論争、これからのサークル活動について、みんな思い思いの時間を過しあっという間に1時間が経過していた。
同期会を開くと聞いたトラさんが羽目を外さない程度?のお酒を提供してくれた(この作品はフィクションですので18歳未満の飲酒は法律で固く禁止されております)おかげでみんなが出来上がるのはそう遅くはなかった。
「結構みんな出来上がってきたところで、ずっと聞いてみたかったんだが、みんなの推しメンをここでぶっちゃけようぜ!」
かなり酔っ払っていた蓮司が唐突に切り出した。
「はいはーい!!そりゃもちろん涼先輩以外いないわよ!!あの美貌、クールな言動の裏腹にとっても優しくてみんなを裏で支えているフォローの達人。涼先輩しかいない!!」
開口一番ベロンベロンに酔っ払っていた横浜が先陣を切った。
「お前涼ちゃん先輩の何を見てんだよ!?涼ちゃん先輩はな、あれだかんな。あれだよ!?今のマイブームはペロペロキャンディなんだよおお!?お前知らなかったろ!?しかもクソでかいピーチ味のペロペロキャンディなんだよお!!!」
「はぁああ!?んなもん知っとるわアホ!!今日だって最高のペロペロキャンディ探しに札幌周辺のトン・キーホーテ探しまくったんだからね!!」
またしょーもない言い争いが始まってしまった。というか推しメンを発表する企画だったのに推しメンのマイブームで言い争いが始まるってやっぱコイツらバカだわ。
「上等じゃオラぁ!!なら本人に聞いてこようじゃないのよ!!!」
「おいおいおい、今何時だと思ってんのよ。涼ちゃん先輩にも悪いだろうが」
「大丈夫。いつも20時36分過ぎにお風呂に入ってるからまだ10分程時間ある」
「しかも今日は涼ちゃん先輩の好きなバラエティ番組ビックリフライドポテトの放送日だしまだ部屋で見てるはず」
もうコイツらすごいを通り越してキモすぎるわ。
「ちょっと行ってくる!!!」
「ちょっと行ってくる!!!」
そう言って2人のバカどもは同期会そっちのけで涼ちゃん先輩の部屋へ消えていった。
「はぁ、全くあのバカどもはやっぱり消えていったか」
ため息混じりに蓮司がそう呟いた。
「そいえや、蓮司の推しメンって誰なんだ?」
ボクはいつも練習熱心な蓮司がそういう浮いた話を聞いたことがなかったのでつい聞いてしまった。
「うーん、やっぱオレは桃さんかなぁ〜。ちょっとお節介だけどめちゃくちゃ優しいし、周りに気を配れるのってなかなかできる事じゃないからなぁ、あとすんごく可愛いところな」
桃さんの名前が出た時一瞬ドキッとした。やっぱり桃さん人気が高いんだなぁ。
「そういうお前はどうなんだよエイ〜!!!」
「いやいや、ボクはまだこれといった気になる人はいないよ笑」
「いやいや絶対ウソだろ!!というか気になる人じゃなくて推しメンって言ってるだろうが!」
蓮司に頭をガシャガシャされながらボクはムックに助けを求めた。
「むむむむムックお前の方はどうなんだよ!!」
「オレかぁ〜!うーん、そうだなぁ。オレは千尋先輩かなぁ。ちょっとドジっ娘なところとかいつも副部長感ないんだけど、いざとなったらすごく頼りになるところだね!」
「でもお前千尋先輩彼氏いんぞ」
「ええ!?そなの!?彼氏さん誰なん!?!?」
蓮司のまさかの発言に音葉が目ん玉が飛び出そうな勢いに驚きを見せた。
「我らが部長のガヤさんだよ。音葉知らんかったのか」
「トラさん曰く1年の時から付き合ってるみたいよ。最初は一同期としての仲だったみたいなんだが、3回生の集団退部事件やら役員の再編などのいざこざを境に2人は急接近して恋人同士になったんだとよ」
「エイお前もお前でよく知ってんな(苦笑)」
「まぁトラさんや桃さんがよく話してくれるからなぁ」
「そいえばウチのサークル3回生の先輩いないよね?やっぱりさっきエイが言った3回生の集団退部事件が関係あるの?」
音葉が不思議そうにそう語った。
「なんだったっけなぁ。前ボクも気になってトラさんに聞いたことがあるんだけど、確か当時の演技指導の先生が物凄くパワハラ気質な先生で当時2回生だった灰谷先輩?って人がその先生をぶん殴ったとか言ってたな。それ以上は思い出したくなかったのかトラさんも話してくれんかったわ」
「何はともあれムックお前はもっと他にいい人見つけrうっ!!ヤバっ流石に飲みすぎたかも」
「ちょっと人の部屋で吐くのマジでやめてよね。ましてや女子の部屋で」
千景と音葉が白いまなざしで蓮司を見つめている。
「わあってるわあってるって!外で出してくるからちと待っとけ」
「ちょっと蓮司ヤバそうだからオレ介抱しに行くわ。というかもう眠いから蓮司連れて帰るわ」
「ムックごめんねー!っていうかあの2人まだ涼ちゃん先輩の部屋にいるのかなー」
涼ちゃん先輩の部屋を行った以降あの2人が全くもって戻ってこないことに音葉が気づいたのだ。
「ちょっと私涼ちゃん先輩の部屋見てくるわ」
「うん、わかった」
「了解」
ムック、蓮司そして音葉が揃って部屋から出て行った。
「なんだよぉ〜、結局みんな好き勝手していなくなっちゃったな」
「あはは、そうだね。みんな勝手というか自由というか。でもこの同期私は好きだな。エイもそう思うでしょ?」
「確かに笑 みんないろんな個性があって今が1番楽しいと思う」
「ねぇ、エイ。本当に推しメン.....いや今好きな人とかいないの.....?」
背中に電流が流れたかのように背筋が強ばった。え、何この状況。いやいやいやいやいやいやいやいやいやウソでしょ?こんなのあれだよ、あれ、恋愛ドラマでしか見た事ないよこの状況。
「いるよ。ボクの憧れの人でもあるし、目標の人でもあり、大好きな人」
「桃さんでしょ.....?いつもエイの表情見てたら丸わかりだよ笑 さっき蓮司に先言われたから敢えて言わなかったんだよね?」
「そうだよ、流石にあの状況下の中で言えるわけな......!?!?!?!?」
ボクがそう言いかけた瞬間千景がボクを押し倒して覆いかぶさって来たのだ。
「ちょ!?!?千景!?!?お前どういうつもりなん!?」
「その話を聞いてもっとショックを受ける人がここにいるって言ったらエイどうする.....?」
「はぁ!?!?!?おまそれどういう.....」
チロチロリン♪チロチロリン♪チロチロリン♪
「もしもーし、あ、音!うん、了解わかったよ。こっちはこっちで片付けておくからおやすみ〜」
電話の主は音葉からだった。内容からもうヤバいかも.....。ボクの心の中ではそう嘆いていた。
「ジョーと未来ちゃんと涼ちゃん先輩全員揃って酔いつぶれて動かないっぽいから大事をとって今日は音も涼ちゃん先輩の部屋で寝るって。って事は今日1晩私だけって事だね」
群青の羊たち 秋乃小路 栄三郎 @booklove_0208
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