第19話

―――カンッ!…カンカン…カカンッ!!


「ハァハァハァ……さすが――――ですね」

「何だ?…もしかして、疲れたのか…?

だったら、休憩にするか…」

「いえ、まだです。まだ、できます!!」

 「お、おいっ、ちょっ……」

(彼女を止めようとしたが、既におすし……

いやッ!、遅かった……

すでに、彼女は「気力」を、身体に…)


「……行きます。師匠!!!…私の全力を

受け止めてください!!」

彼女は、そう言うと、俺めがけて、斬りかかって来た…

(だが――)

「……あまいっ!」


「なるほど、やはり…師匠には、効きませんか!――だったら」


彼女が、そう叫ぶ…すると、彼女の頭上に、

黒雲が現れ……まるで、こちらを睨むように

その、落雷を轟かしている…


「――師匠、死なないでくださいねっ!

行きなさい!!」


その言葉を、待っていたかのように、落雷は…俺めがけて、落ちて来る…

落ちるたびに「ズギャャャン」と、辺り一面

に、音が響き渡る。


そんな落雷の中を、オレは、落雷の隙間を

掻い潜って、避けていく…


そんな、俺の姿を見た。彼女は、口を押さえ

て、驚いているようだった…


「そ、そんな。これも、これさえも。「師匠」には、効かないなんて――私の負けです。」

「…今度こそは、師匠に勝てると、思っていたのに、やっぱり。師匠には、敵わないか……」


「それは、まぁ。師匠だからな!―」

「ふーん、ちなみに、私の落雷を避けていたのは、師匠が、化け――っと、何でもないです。」


「あ、あのなぁ〜〜、べ、べつに、オレは「化物」とかでは、無いからな……」

「え゙!?だって……師匠は…」

そう言うと、彼女は…震える手で、俺を、

指差す。

(ん?俺?…いやいや、なんで?!……俺、

普通の…「ヒューマンの冒険者」なんだが?

その俺の、何処が!化物なんだよ!!)


彼女が俺に、放った言葉の意味を、考えてみる


(あの彼女が、あんな顔をするなんて…よほど、相手が、恐ろしかったようだな。

それにしても、その「恐怖の相手が誰のか」

師匠として、気になる。―――)


「…師匠?どうかしましたか?」

「いや、なんでもない。それにしても―」

「はい?」

「―――を怖がらせた、相手は、いったい。どんな奴なんだろうか…」

「…………はぁ」

(え?何?その顔は、まるで「私を、怖がらたのは…貴方ですが」とでも、訴えかけ来る…様な…はっ!俺か!?)





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恋人の幼馴染彼女が、僕の知らないうちに、浮気していたが…いつの間にか…破局していた…。〜幼馴染と、やり直す事にらなり…共に旅をする。〜 秋街葡萄(あきまち ぶどう) @ATPS

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