第30話 ポジティブ酔い? 

 アンミカさんが、大好きです。

 綺麗で賢くて、いつも誰かを励ましたくてうずうずしているところが好きです。さらに、彼女が勉強家なところも好きです。私が知っているだけでも、アンミカさんは、漢検2級、野菜ソムリエ、漢方養生指導士の資格を持っているのです。どれも簡単に取れるものとは思われず、アンミカさんって、勉強家なんだな、学ぶ事が本当に好きなんだなと思います。そういうところも、格好良くて大好きです。


 でも、一番好きなのは、彼女から発せられる言葉かもしれません。深くてユーモアがあって、暖かくて。特に、

『誰のことも上にも下にも見ない』

『一日一回振り返るんです。人に求めすぎていないかって』

の二つは、座右の銘として、心に刻みつけています。

 また、それとは毛色が異なりますが、

『白って200色あんねん』

も、大好きです。好きすぎて、それを書くためだけに書いた近況ノートもあったりします(『アイボリー?』がそうです)。


 さて、ある日のことですが、インスタグラムを何となく見ていたら、アンミカさんのインスタが流れてきたのです。アンミカさん、インスタもやっているんだ。当然と言えば当然か。むしろ、今までどうして気がつかなかったんだろう。そんなことを思いながら、すぐにフォローしました。


 フォローしたその日から、アンミカさんのインスタが流れてくるようになりました。わぁ、今日はこんなファッションなんだ。アンミカさんは、何でも似合うなぁ。お仕事も多岐にわたって、色々しているなぁ、すごいなぁ。友達もたくさんいて、いつも色んな人に囲まれていて、華やかなパーティーもたくさん出席しているなぁ。写真を見ながら、ちょっとだけ、アンミカさんとの距離が縮まったような気持ちになりました。


 ところが、です。

 ほんの一週間もしないうちに、私はアンミカさんのインスタに、疲れを覚えるようになってしまったのです。それは、精力的に、毎日じゃんじゃん流れてくるインスタの勢いもありましたが、やはり、いつもあまりに元気で、明るくて、前向きなものばかりだったからです。


 もちろん、それは、あえてそう言う写真を選んで、インスタにあげているわけで、アンミカさんだって、疲れたり、体調が優れなかったり、しゅんと肩を落としている日だってあるはずです。それは分っているけれど、毎日毎日、それこそ滝のような勢いで、明るくポジティブな写真が流れてくると、クラクラしてくるというか、気力を失うというか、逆に、大きく笑うアンミカさんの口に、元気を吸われていっているような気持ちにすら、なってきたのです。

 どうやら、私は、ポジティブ酔いをしてしまったようなのです。


 ポジティブも、過ぎると、人間って疲れるんだ。

 これは新しい発見でした。これってつまりは、ずっと晴天が続くと、雨が恋しくなる感じかな? 似ているけれど、少し違う。それよりも、24時間、さんさんと日が照り続けたら疲れてしまう方に、似ているのかもしれない。

 そんなことを考えながら、ポジティブ酔いをしてしまった私は、たった一週間で、大好きなアンミカさんのインスタのフォローを、外すこととなってしまったのでした。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る