第1話を読み終えて、構成の鮮やかさに思わず唸った。
銃不要論を貫いた帝国の英雄アーデルヘルムが、自分の判断ミスで百万の将兵と帝国の命運を失い、泉に身を投げる——この前半だけで既に重厚な歴史小説の風格がある。
そして後半。転生した俺が目を覚ますと、敗戦前の帝国に女性の平民として生まれ直していた。そこで壇上に立つのはまさに「倒すべき」往年の自分、アーデルヘルムだ。ここで「銃器の論文への修正を」と即答するエルマの頭の回転の速さと、指摘した閣下(=かつての自分)が「あまりに高く見積もり過ぎ」と諌める皮肉——自分が信じた誇りを自らの手で否定しに行くという構図が唯一無二だ。
「命より大事なその誇り、すべて汚し尽くして」という最後の一行が圧巻。続きを読まずにはいられない。