第14話  少年達は、ドラゴンと戦う!

 次の日は、土曜だったので早めの出動だった。


「婆、助っ人に来たぞ」

「遅いわい、若造!」

「おいおい、まだドラゴンが生きてるじゃねえか」

「そう簡単に倒せんわい」

「一晩中、戦っていたのか?」

「そうじゃ、眠くてかなわんわい」

「交代するから、日本妖怪は休憩しろよ」

「ふん、言われんでもそうするわい!」


 日本妖怪達は一時撤退した。


「さあ、戦闘再開だ」

「それにしても、ドラゴン以外の西洋妖怪がいないのは何故だろう? ライ」

「そうだな、ハク、わかるか?」

「ドラゴンに任せてるんだろう。それだけドラゴンの強さが信用されているんだ」

「クソッ、楽しやがって」

「ライ、もう少しドラゴンを弱らせてくれ」

「ライトニングで吹っ飛ばしてくれるんじゃないのか? フミヤ」

「ライトニングをドラゴンの頭に命中させたい」

「今のままではダメなのか?」

「こんなに動き回られては狙いが外れる」

「わかった、レッカ、カズナリ、行くぞ」

「「おう!」」

「って言っても、この中じゃあ、レッカの砲撃しか通用しないんだよな」

「任せろ」

「ドラゴンが吐く火炎は僕が風で防御するよ」

「俺も、火炎攻撃を続けてみるよ」


 レッカが砲撃を連発する。


「レッカ、顔や目を狙ったらどうだ?」

「わかったよ、ハク、やってみる」


 レッカが、顔に攻撃を集中する。ドラゴンが炎を吐き出す。炎はカズナリが風で防ぐ。ライも火球をドラゴンの顔に放つ。チームプレーが出来上がって来た。


「ライ!」

「どうした? レッカ」

「ヤバイぞ、俺はもうすぐエネルギー切れだ」

「もう少し頑張ってくれ」


 ライの火球が、1発ドラゴンの右目に命中した。大きな咆吼。次いで、レッカの砲撃がドラゴンの左目に命中した。暴れるドラゴン。空中から地上に墜落する。


「OK!任せてくれ、ライトニング!」


 ドラゴンの頭上に雷が落ちた。再び、ドラゴンの咆吼。ドラゴンはグッタリと地に伏した。


「やったか?」

「いや、まだ生きている」

「トドメを刺そうぜ」

「みんな、待て!」

「どうした?カズナリ」

「西洋妖怪が戻って来てるぞ」

「本当だ、ドラゴンが倒れたからか」

「どうする?」

「僕達、もう帰る時間だよ」

「なんだよ、カズナリ。相変わらずノリが悪いなぁ」

「明日は日曜で休みなんだぜ」

「だから?」

「もう少し頑張ってみないか?」

「残業?」

「残業って言うなよ」

「俺も帰りたい」

「俺も」

「なんだよ、みんな」

「後は、また日本妖怪に任せようよ」

「どっちみち、俺はエネルギー切れだ」

「そうか、フミヤもレッカもエネルギー切れか、じゃあ、しょうがないな」

「じゃあ、解散だな」

「ああ、解散だ」


 カズナリ達はドラゴンにトドメを刺すこともなく帰宅した。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る