Prologue

 それはいつ起きたことだったか。

 世界中で同時に発生した大地震。


 喧騒と雑踏で溢れる都市部を歩いていた人々は、突如視界を埋めるほどの真っ白な光に包まれ、次に目を覚ます時には……。



 高層ビルと見たこともないほどの巨大な地割れと、見渡す限りの荒野が広がっていた。


 そして二番目に視界に広がる光景は“惨たらしい”の一言。


 身元判明不可能なまでに丸焦げた死体。

 地面を埋め尽くす骨と肉。

 そして、“ロボットによって射殺される人間”



 辛うじて生き残った人々はあまりにも信じられない光景に恐れ慄く。

 恐怖で逃げ惑い、叫び、発狂し、その場が阿鼻叫喚の混沌に包まれるのは左程時間は掛からなかった。


 人間を襲撃、殺害するロボットの正体は太いロボットアームや、足にキャタピラや多くの脚が特徴的な“機械生命体”だった。

 そしてそれに応戦するのは限りなく人間と近い姿形に作られた“アンドロイド”がいた。


 だが、戦うことを前提に作られていない。力に補正の無いアンドロイドは次々と機械生命体に蹂躙されていく。

 対して武器の製造に最も携わっていた機械生命体は、自分で開発した武器や兵器で問答無用で殺戮を続ける。


 人々は、警察は何をしているんだ。誰か助けてくれと怒号を上げる。

 だがそんな助けもある訳もなく、残ったアンドロイドは逃走することを判断し、生き残る人々を全力で保護する。


 武器がなくては勝ち目が無いと。人間を身近で長年サポートしてきたアンドロイドらは、殺戮の中で人間を最優先に助ける。という新たな使命を作り出した。




そうして時は十年が経過する……

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