第七章 5年越しの

第49話

「……じゃ、元気でな」

「春希こそね」


春希の家を、大きめな荷物を持って私たちは出た。


春希の最寄り駅は2路線で、それぞれ別路線や別方面だった。


「じゃあ」

「また」

「うん」


いつも通りの別れの挨拶を交わして、改札を通った。


軽く手を振って、私たちの夜が終わった。

後味の悪い5年越しの告白は、何も産まずに終わった。


でも、私たちは確信していた。

また必ず4人で会えると、そしてその時はきっと、新しい形でみんなが出会えると。


いつも通り別れた私達は、その先会うことはなかった。

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5年越しの――――――。 ミマル @mimaru0408

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