第23話 チョコを渡そう(Sweet Valentine 2025 PIXIV)

 バレンタインデーといえば、チョコレート。


 そこで親しくしているもみじちゃん、べにはくん、夕占ゆううらさんにチョコレートを渡すことにした。


 そういえば2月14日は金曜日じゃないか。そこで残業をしないで、真っ直ぐ用意したチョコレートを持って、夕占さんの家へ行くことにした。


「ハッピーバレンタインです」


 夕占さんの家の玄関。そこであいさつする。


「ありがとう」


 夕占さんにチョコレートを渡す。


 夕占さんには近鉄百貨店で買った、ブランド品のチョコレート。


「お久しぶりです」


 何ヶ月ぶりか分からないけど、久しぶりに会うもみじちゃん。


 べにはくんとは違っておとなしくて、かわいらしい。それに雰囲気も柔らかい。ずっと前はとげとげした雰囲気があったような気がするから、今はメンタル的に落ちついているかもしれない。


「お久しぶり。これチョコレート、こっちがもみじちゃんの分で、こっちがべにはくんの分」


 もみじちゃんとべにはくんにはラムネの入ったチョコレートを選んだ。味はいちごで、もみじちゃんの方にはオレンジ、べにはくんの方には赤色の袋でラッピングをしている。


「ありがとうございます。とってもうれしいです」


 もみじちゃんはにこにこ笑顔だ。


「ところで最近宇治うじさんは最近べにはと会いました?」


「会ったよ。図書館にもよく来てくれてるし」


 べにはくんは仕事が休みの日、図書館に来てくれる。それもあってか、よく会っている。


「夕占さんとべには、どっちに会うことが多いですか?」


「べにはくんです」


 そりゃあ図書館にきてくれるから、べにはくんの方に決まっている。


本姫ほきさん、バレンタインデーだから、チョコレート」


 夕占さんが小さな紙袋を渡してくれる。


 どうやら私がもみじちゃんと会話している間に、夕占さんはこれを取りに行っていたらしい。


「ありがとうございます」


「じゃあ私からのお返しはべにはに預けておきます。べにはと仲良くして下さいね」


 もみじちゃんはひまわりでも咲きそうなほど、きらきらした笑顔で語る。


 夕占さんと私を近づけたくないのか、べにはと私を近づけたいのか。


 これは本当にどっちなんだろうか? 私には分からない。


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金曜日夜にしか会えない紅葉と みかさやき @sarayuhaomo

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