本物は。誰かが。あなたを本物であると認めることで。本物となる。

じゃない方の白石くん。

彼は天才であり。そして、自分には何の才能もないと思っていた。
つまり、彼は自分のことを全くわかっていなかった。
自分で自分を見ることは出来ない。
だから。
自分の姿は。モブ。なのであろう。と想像する彼はその才能を惜しげもなく捨て去ることで。

華やかな青春を夢見ていた。

けれどその才能は。天から与えられていたから。



そしてもう一人の白石君。

こちらは、自分のことを天才だと、思っている。
つまり。彼は自分のことを全くわかっていなかった。
だから。こちらこそが。じゃない方の白石君。であったが。本物であると思っている。言い張っていた。
偽物というものは何故かどうして。自分を天才だと。

偽物は。自分を本物だと主張せずにはいられない



要するに何が言いたいかというと。この小説は。本物なのではないか。という可能性。
そしてその本物というものは。いつも何故か埋もれていて。しかも自分で自分を見ることは出来ないから。

偽物が本物のような顔をして偉そうに闊歩する。のを見て。本物は流石だななどと。思ったりしていた。

何故かといえば。
本物が世に羽ばたくには。大切に育ててくれる誰かを。必要とするからであり。
偽物は本物が埋もれていることで。まるで本物であるかのように見えていた。しかし。本物が登場してしまえば。

誰が偽物に目をくれるだろう。だから。偽物は本物を全力で。葬り去ろうとする。
偽物は。本物を。その性質上。許せないから。


しかしそれでは。偽物は。あまりにも救いがない。

偽物とは自分で本物になろうとすることで。偽物になる。

本物は。誰かが。あなたを認めることで。本物となる。

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