第41話


ーそんな颯太に惚れました、かあ。


じゃれつく朝陽をかわしながら、何となく、古いセリフだよね?


なんかどっかできいたセリフ。


ちょっと演歌みたいな響きかなあ?


リアルタイムじゃ知らない私だから、仕方ないかも?


もしも颯太や朝陽と違う場所で知り合って、ううん、違う環境で、幼なじみだったら、どうなるんだろう?


もちろん、私は美少女枠でしょ?朝陽は陽キャラ?


じゃあ、颯太はモップ?


私の脳裡にモップみたいないぬが浮かぶけど。一人暮らしじゃ飼えない大型犬だよね。


一人暮らしのワンルームじゃ飼えないし。まあ、颯太はモブだろうけど。


へんな呼びかた。


都会ってへんな流行りを生み出すんだね?


ってじゃれつく朝陽は、朝陽らしい田舎のにおいがする。


少しだけ墓参りで、墓じまいがたくさんで、ひっそりしていて、でも真新しいお墓には知った名前があったり、


ーそういう場所なんだろけど。


戻りたくはないけど、どうして、朝陽のカエル兄は戻ったんだろう?


どうして、颯太は私を追いかけてくれないんだろ。


やっぱり、


私はじゃれつく猫のような朝陽をみながら、


ー朝陽がいるから?


って少しだけ、なんか嫌な気持ちになった。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る