第4話(三)
間宮の膝に乗り上げて、密着する脚に戸惑って身じろぎしていると、腰に手を回しながら間宮が言ってくる。
「……キスして欲しいな」
近すぎる距離にたじろいてしまう。それをバレるのがシャクなので怒った表情を作りながら、
「スマホ見せたらな」
と話を蒸し返すと、間宮が困った顔をする。
「だから……変な写真なんてないよ」
「だったらいいじゃないか」
「いや、だからね……」
言いながら、よほど嫌なのかごまかすように頬を両手で挟み込んでキスしてこようとしてきた。
「ちょ……っ、お前いい加減にしろよ。……話聞かないしまだ昼前だし」
顔を押し留めながら呟くと、「んー」苦笑が返ってくる。
「うちの親がお昼作ってある……って、」
「……ずっと、俺真純とやらしいこといっぱいできると思ってたんだけどな」
「やらないとは言ってないだろう。まだ明るいし、カーテンあいてるし……」
こっちの形勢が不利になりそうなのに感じたのがわかったのか、間宮は口角を上げた。片手でまた俺の背中を支えながら、もう一方の手で俺の手を取った。その手を挟んで、じっと俺の目を見ながら───俺の指を口の中に入れる。
「っ、……なっ」
レロっとやらしい舌使いで人差し指と中指を舐め上げた。視線はずっと外さない。チュッと指を吸い上げる。カッと全身が熱くなった。
───直結するのは自分のを舐められた感覚だ。
一週間前に散々舐め回されたのを嫌でも思い出した。
「やめ……っ、」
逃げ腰になるのを片腕で捕えられる。さらに指にしゃぶりつかれ、目が離せない。こちらの反応を間宮は瞬きもせず見つめている。
「……あっ、……ゃ」
下肢が熱くなる。嫌だと思うのに、意思とは無関係に何度も入れられた場所が疼いてくる。密着する間宮の体温も理性がどうにかなりそうだった。
「……間宮っ、」
たまらず声をあげると、間宮が指を抜きキスを仕掛けてくる。音を立てて吸い付いて、舌を口内に入ってきた。逃げるこちらの舌を絡めとられ甘く噛まれる。が、すぐにしつこく口内を舐められた。
「……っ、んっ……ぁ」
夢中になってると、下肢に硬くなったモノを感じた。
「あっ、……っ、」
「……したい?」
いけしゃあしゃあと間宮が聞いてくる。息がお互いあがってる。仕向けたのはお前じゃないかとカッとして、
「……お前がしたいんじゃないか……っ。あとでおぼえてろよ」
凄んでみたが、急に下肢に手を伸ばされる。
「あっ、あ……や、やだぁ……っ、」
ズボンの上から揉まれて、たまらない。泣きそうになりながら、快感が脳内を支配していく。
「あっ、あ、あ、あ、っ」
器用に片手でベルトを外して下着の中に手が入ってきた。じかに握られて息をのんだ。食い入るように見ている間宮に懇願する。
「やだっ、待っ……待って……あっ、汚しちゃうからっ、んっ」
「じゃあ、さ。全部脱いじゃおうか」
え? と思う間もなくTシャツが首から抜き取られる。そのまま押し倒されてズボンと下着も脱がされる。フローリングの固い床が背中に当たって我に返り、また自分だけ脱いでる状況にコイツはーとツッコミたくなる。あーもう。と思いながら、
「とりあえず……ベッドに……あとまだ明るいからカーテン……」
提案すると、のし掛かってくる動きを止めて「わかった……」と答えて立ち上がる。言われるがままカーテンをしめて、戻ってくる間宮が満足げに笑う。
「素直でかわいい……」
耳元でささやいて腕をつかんで俺をベッドに横たわらせる。
ふざけんなっ、と思ったが、その思いを封じるように、俺は目をとじて、おりてくる口付けを黙って受け入れた───。
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