【バカラブコメ】数学的おっπ?



「円の周りは3.14……な訳だがこれをπとおける」


 数学教師が円周率について解説を述べる。勉強熱心なつとむはノートに書き込んだ。


[円の周りは3.14……な訳だがこれをπとおける]






 数学の授業が終わり、勉のノートを覗くあかね


「勉~、おっπってなんやねん?笑」

「知らんの? 円周率やろ」

「それはπやろ」

「いや、ちょっと待て、πは3.14……やろ? この『3』が重要やねん。この『3』の膨らみがおっπと言うんや」

「ちゃうわ! でたらめ言わんといてな」

「よく見てみろな。胸に見えるやろ?」

「むしろ尻やな……。おっπ理論の崩壊や~笑」

「尻でもいい」

「ええんか? 尻で」

「似たもの同士やから」

「だめやん」


 つとむは独自のおっπ理論を展開していたが、あかねには何のことやら理解不能だった。


つとむ、おっぱいが好きやねんな」

「いや、おっπが好きなんや」

「え?」

「おっぱいじゃない、おっπが好きなんや。大事なところやで」

「一緒じゃあらへんの?」

「 ぱい が違うんや」

麻雀マージャンみたいやな~」

「いや、たしか麻雀におっπは無いんや。数学だけなんや」

「数学好きなん?」

「いや、おっπが好きやねん」

「なんやねん……」


 からかいたくなったあかねは勉の眼鏡を取り上げると制服が少しはだける胸元に差し込んだ。視力を奪われたつとむあかねの方に顔を向けると辛うじて見える眼鏡に手を向けた。


「眼鏡返して~な」

「いやや」

「なんでや~」

「悔しかったら力尽くで奪ってな!」

あかね、待ってや!」


 あかねを追うつとむだが、なかなか追いつかずに膝に手を付く。


「あかんでつとむ! そんなんじゃおっπなんか分からへんで!」

「どういうことや?」

「あんたの丸眼鏡に訊いてな~」


 あかねつとむに眼鏡を返すと耳元で囁いた。


「女の子の胸の膨らみは特別なんやで」


 つとむは顔を赤らめると俯いた。


「あ~! つとむはやっぱりムッツリや~! 笑」

「そ、そんなんやない! で、でも……」

「でも?」

「なんでもあらへん」

「もう~、つとむ君のいけず~」


 つとむあかねの目を直視することが出来なかった。視界が鮮明であるが故にあかねの顔がはっきりと見える。恥ずかしそうに斜めに視線を逸らす。


「教室、誰もいないで?」

「だから?」

「あんな、3はな、もうひとつ付けると8になるんや」

「……」

「8の方がおっπみたいやろ?」

「ま、まあ……」

「せやからおっπはπやねん」


 つとむは眼鏡の柄をを持ち上げると、逸らしていた視線があかねの胸に行き、目を泳がせた。あかねが囁く。


「触っていいで?」


 その小悪魔的な囁きは勉の呼吸を乱した。


「幼馴染みの特権や」


 幼馴染みを理由に勉をたたみかける。


「一生に一度のチャンスかもしれへんで」


 耳を真っ赤にして茜を背にした。


「あかんわ、おっπを測らんと」

「せや、私のおっぱい円周率を……ってどこいくねんっ!」


 机に向かうとブツブツと計算を開始した。


………………

…………

……


 バンっ! と机を叩くと「結局、2πhr二乗やな」と答えを出した。


「それ円柱やないの?」

「え? まあ、たぶん……」

「私のおっぱい、円柱やあらへんで」

「茜の胸の計算じゃないで。単なる教科書の計算問題だよ」

「今度は私のおっぱいの答えを求めてな!」

「お店なら測ってくれるんやない?」

つとむが測って~な~」

「い、いややわ」


 キーンコーンカーンコーン


「あ、帰りの時間やな」

「勉、一緒に帰らへん?」

「ええけど。なんで?」

「家におっぱい大福あんねん! 勉、好きやろ? 寄ってきや~!」

「あ、ありがと……」

「ほな、帰りますかっ!」


 勉はおっぱい大福を楽しみに歩みを進めるのであった。ムッツリなつとむは自身のムッツリをあかねにバレないように、おっぱいをおっπと言う。あかねはそんなつとむをからかうのが好きだった。




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最後まで読んでくださってありがとうございました!

m(_ _)m



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