最後まで読んだとき「ああ、そうだったのか」と感じて、青い箱のなかにねむるちいさな貝を、すこし悲しく思うことでしょう。けれど、箱の匠がこさえてくれたその場所は、きっと、ほのかな色のかけらが眠るのに、いちばん相応しい場所。すこし寂しく、やすらかな気分になれる掌編です。
素敵な文体。可愛らしい会話。そして、ちょっぴり……。
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