第25話 勉強会
宇佐美が自分の家に帰ろうとする意思を見せ、それに対して俺もどうすれば良いかを考えながら学校生活を過ごす
(宇佐美は自分の家戻んのかな…戻ったらどうなんだろ…)
テストが近づいているのに、授業中にこんな考え事をしながら過ごしてしまっている。そうして宇佐美との事を考えていると、あっという間に土曜日になる。
髪をしっかりとセットして、微妙に生えた髭も綺麗に剃り、指や手の甲の無駄毛も整えてある…そして身だしなみを整えて、着ていく服を決める。
「上は緑のシャツに…インナーは白かな…」
夏に入り始めて少し暑いので、やはり明るさはある程度出したい。緑のシャツで少し暗さがあるので、ズボンは白色に決める。
ネックレスをつけて念の為首元の寂しさを埋めつつ、勉強をする為に問題集等を持っていく必要があるので、白色の手提げバッグに荷物を入れる。
「宇佐美、俺ちょっと用事あるから出てくるわ」
「あ、うん」
「昼ご飯とか大丈夫そう?俺は外でそのまま食べてくるけど」
「大丈夫!自分で何か買って食べるね」
「分かった、じゃあ行ってくる」
そう言って必要な物を持って、玄関に置いてある姿鏡を見て調整しつつ、家を出る。
「暑っつ…」
強く照らされる太陽に眉間にシワを寄せつつ、蒸し蒸しとした肌にジメッと纏わりつくような暑さだ…とりあえず時間に遅れないように、俺は橘と待ち合わせ場所の駅に向かう。
橘が色々見て周りたい事もあるだろうと思い、新宿辺りでゆっくり歩いた後勉強する予定なので、途中の駅で待ち合わせをして、少し歩いた後勉強する予定だ。
電車に揺られながら、ふと橘がどんな服装で来るのかとかを考えたりしつつ、何時間程勉強するのかとかも考える。
『もうすぐ駅着くよ』
『分かった、俺の方が少し遅れそう』
『了解!』
連絡を取りつつ10時頃に待ち合わせの駅に着くと、既に橘が待っていた。コンパクトミラーで前髪を調整している橘に近づいて声をかける。
「ごめん、待たせた」
「あ、ううん。全然来たばっかだよ」
橘の服装はかなり大人っぽく、黒のノースリーブで肌の露出は少し多めにしつつ、明るめ茶色のワイドパンツで、下はゆったりとした服装。
髪はハーフアップで耳を出しつつ、毛先の方を巻いて可愛さを出している。俺と橘は一緒に新宿行きの駅のホームに降りて会話をしながら電車を待つ。
「橘の服、オシャレだな」
「そう?ありがと。梅も良い感じだと思うけど」
「そう言って貰えると嬉しいな。どうする?予定では軽くお店とか見て回ってから、ファミレスとかで勉強する予定だったけど」
「あ〜…先に勉強しようよ」
「うん、おっけ〜今日はどれくらいまで行けそう?」
「どれくらいか〜普通に夜まで行けるよ」
「じゃあ夕方辺りまで勉強する?そしたら、ある程度涼しくなってるだろうし」
外を歩き回って橘を日焼けさせたら申し訳ないと思い俺がそう提案する。
「ふふ、梅そんなに勉強できるの〜?」
「ぶっちゃけ自信無い」
「まぁ、ゆっくり頑張ろ」
「頑張りやす」
そうして話しているとすぐに電車が来たので、一緒に乗って新宿まで向かう。流石に休日なので人も多いが、満員という程でも無い位の人が乗っていて、座れる場所は当然なかった。とりあえず俺と橘は邪魔にならない場所に移動して着くのを待つ。
「その髪型良いね、首元涼しそう」
橘のハーフアップの髪型を見て声をかける。セミロングの髪は綺麗に結ばれていて、首元はスッキリとした涼しい印象がありつつ可愛さをプラスしている。
「え、ほんと?ありがと、結構頑張った。スッキリして良いんだ〜」
「その髪型はなんて言う髪型なの?」
「これはハーフアップかな」
そう言いながら、橘は綺麗に巻かれた髪先を人差し指でくるくると弄っている。
「ハーフアップか、結構好きかも」
「そっか!梅はどういう髪型が好きとかあるの?」
「う〜ん…三つ編みで片耳出してるのとかも結構好きかも」
「あ〜、分かる。可愛いよねあれ」
「まぁでも基本的に似合ってたらなんでも良いかもな」
それほど着くのに時間もかからず、気づけばすぐに新宿に着く。そして俺と橘はとりあえず勉強会を始める事にした。
学年1の美少女は俺の同居人〜気づいたら俺好みになっていた〜 Reraiado @Reraia
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