神變天狐異聞録
@tamagawa
第1話 狐火・一
昔
日本国現報善悪霊異記
◇
――
どうすればよろしいでしょう。
従者の
……なりませぬ。
姫君が澄んだ声でそういった。
……。
なりませぬ。人を慕うのはなりませぬ。けっして。
……ですが……。
なりませぬ。どうでも、ならぬことじゃ。
姫君の声に力がこもる。
その女の童を見た姫君の胸は、針が刺さったようにちくりと痛んだ。
こども相手にきつい
晩秋を迎えた
姫君の
……。
姫君の胸の
昔日の瑞々しい思い出と、
姫君はうつむいている
姫君には童の
姫君はわれ知らず
そののちに、ほんの小さなため息をつく。
……おまえのせつないはめをうち捨てるはしのびない。わたしはおまえをいとしく思って育ててきた。
……。
おもてをあげ。
……。
かようなさまではもはや及ばぬこと。遠くから見るだけでは、とても心が満たされぬじゃろう。
はい。
ではそのお方の……そう、おまえに為せることで、そのお方のお力に添える行いをして差し上げたもれ。
はい、
われらは
はい。
さすれば、かならずや後生にて、
……。
秋澄める夕の庭。
それを見つめる姫君の
姫君はまるで御自身にいいきかせておられるようだと、童は思った。
――でも、もう
……はい、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます