第49話 令和の大政奉還

 世界は、米国の一見、身勝手な言い掛かりに翻弄されていた。暴走犬をコントロールするため魂界の米国に派遣された者たちはイロン・マスクの周辺で活動していた。カードを大統領に復帰させた、そこまでは良かった。しかし、カードの暴走はコントロールの境界線を捻じ曲げた。米国ファーストを掲げ、自国の利益を前面に出し、持論を世界に浴びせ掛けた。マスクも米国ファーストの気持ちは分かるが、車の製造ひとつをとっても、相手に関税を掛ければ済むと言うものではないことをマスクはカードに説くが全く理解されず盲目的とも言える程、アクセルを踏み込んだ足を緩めることはなかった。自国の自動車産業を救うと日本車にターゲットを絞り締め付けたがその結果、フォードやGMの株価の下落や製品の競争力のなさ、オリジナリティの無さからカナダに逃げ出す嵌めになる有様。

家康「カードからの関税の真意は何か」

天海「私利私欲に見えて、実は愛国心かと存じます」

家康「どういう意味じゃ」

天海「アヘン戦争ですよ」

家康「フェンタニルのことか」

天海「大東亜戦争と同じ被害者が年間に出ているのが現実かと」

行長「節約しても被害者救済に多額の国費が費やされますね」

政宗「薬物は元から断たなければ繰り返され、意味がないぞ」

天海「それがカードの真意よ」

半蔵「成程、利用されている者に自覚させ、成敗させるのですね」

天海「元を断つとはそういうことだ。協力すれば関税率を考える」

家康「中酷と関係を断てば良いだけと言う事か、回りくどい」

天海「名指しないのが波を立てない国際社会の掟かと」

家康「面倒なものよな」

政宗「ならば関係を断てば良いではないか」

お江「出来ませぬわ。この期に及んで盛山幹事長が熊猫を貸与を申し出ておる。火

   に油よ。カードは石庭政権を嫌っておる。国民もな」

三成「嫌われ者とはそういうものだ」

ガラシャ「よくお分かりで」

三成「戦うより折れることの大事さを石庭に伝えたいわ」

忠勝「ここまで嫌われれば、病巣を一掃しなければ政権は保てませぬな」

三成「根回しなくして戦えずを与党に教えてやりたいわ」

天海「昔話はさておき、関税を掛けたのは薬物が鍵。まず、カナダとメキシコを攻撃

   した。米国への薬物流入を防げとな。そこに尾張拠点が顕わになった。これを

   防ぐには、中酷との貿易を厳格にすること。薬物の原料が禁止物でない以

   上、貿易を見直すしかあるまい。なのにですぞ、お江の言う通り維持する動

   きを見せれば、米国は日本を中酷の共犯者と見ても仕方あるまい。石破政権

   の幹部議員の中には未だに中酷との関係を望む者が多い。商人たちもそう

   だ。しかし、自動車や半導体関連、第5世代移動通信システムの主権争いに大

   きな影を落としかねない、愚かな政権よ」

行長「給付金をばら撒くなど焼き石に水と同じ。金がないと言いつつばら撒く金は

   あると言うのはおかしなこと。給付した金はあとで新たな税でそれ以上を回

   収するのが見え見えではないか。金の亡者はおいそれ手放さない。採算がある

   から口にする。稼げない者がばら撒くと言うのは、奪ってやると言う事だ。カ

   ードは石庭政権を敵だと認識している。自動車産業の米国への貢献度による税

   率でまとまりかねたものを覆したのは、最早、交渉の余地がないと受け止め

   られる。となれば、この政権を参議院選で潰すしかないのでは」

天海「そうですな。組織票に負けない無党派層や個人の意思で鉄槌を食らわせねば

   目も当てられぬ。組織票も内部で分裂の兆しが伺える。今の自民の重鎮を処

   刑台に送り、協力している混迷党を痛めつけ、過半数にほぼ遠い、少数や与党

   にせねば、大政奉還は迎えられませぬわ」


 侍日本党は、自民崩壊を確信し、次期政権に向けての体制づくりに舵を切った。











(主な登場人物)

徳川家康総理大臣  織田信長→豊臣秀吉→徳川家康

天海副総理   豊臣秀吉→徳川家康→明智光秀改め天海

伊達政宗幹事長   徳川家康→伊達政宗

本田忠勝政調会長  

小西行長財務・総務大臣 

島津義弘外務大臣  伊達政宗→島津義弘

服部半蔵国務大臣  明智光秀 明智光秀国務大臣→服部半蔵

石田三成厚生労働大臣

加藤清正資源大臣

黒田官兵衛渉外大臣

お江経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」

ガラシャ副幹事長・細川ガラシャ

豊臣秀吉厚生労働大臣 裏では、軍師竹中半兵衛と黒田官兵衛が動いていた。

江藤新平法務大臣「司法卿」



 

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