十六通目 遊び
ある学校で「〇〇さんふざけんな」という遊びが流行った。子供の考える遊びだから単純なもので、〇〇にからかう相手の名前を入れ、続けてふざけんなと言う。そして言われた子供は即座に別の子供の名前を呼び、ふざけんなと言わなければならない。最後に言えなかった子供は罰ゲームを受ける、そんなゲームだ。
遊びが流行って一カ月ほど。ある男子の順番が回ってきた。と同時に教師が彼らが遊んでいた教室に入ってきた。この遊びは教師にばれてはいけないという暗黙の了解があったので男子は慌ててとっさに考えたでたらめの名前を入れて叫んだ。「〇〇さんふざけんな!」
とたんに、うるせえ! 怒鳴り声が学校中に響き渡った。その大きさは窓ガラスを振動させ、机から定規を落とし、校外から問い合わせが殺到するほどであったという。それから子供たちはその遊びをやらなくなった。曰く、呼んじゃったからと。
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