ロア関連資料――書簡

海中図書館

書簡

一通目 吊られた剣

 ある深い洞窟の奥に剣が吊り下げられているという。千年は経過しているが、いったいどんな素材で造られたのか、錆びることなくその鋭利な先端を大地に向け続けている。大地から出てこようとする悪魔を封じ込めているだとか、天と地の調和を図っているだとか、その役割は様々に言われている。また著名な予言者によれば、その剣が地に落ちた時が世界の終わる日なのだとか。

 不可思議なのは、その剣は懐中電灯の光がかろうじて届くような場所にあり、一体誰がどのように真っ暗闇の中、はるかに高い洞窟の天井からそれを吊り下げたのかということだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る