002.髪の毛が茶色い話

髪の色って、意外と同じように見えて違うよね。

私は子どもの頃髪が茶色だった。髪を染めているわけではない。自然とそうなるのだ。いとこにほぼ同じような髪色の子がいたので、遺伝なのだろう。

そのことで困った……と言えば話が盛り上がるのかもしれないが、特に困ったことはなかった。染めてるのか?とたくさんの人に聞かれたが、「染めていません」と答えたら皆引き下がったのだ。周囲に恵まれていたのかもしれない。

大人になるにつれて髪は黒くなった。しかし黒というより焦げ茶色といったところだった。今でも子どもの頃のアルバムを見ると、色素が薄くて驚く。肌の色素は濃いほうなので、髪の毛だけが茶色いのである。

茶色っぽい髪の毛だと便利なことがある。

髪の毛を染めても、プリンにならずに済む。よーく見るとなっているわけだが、ほとんど目立たない。まめに髪の毛を染め直さなくてよい。お金と時間を節約できる。せせこましい便利要素ではあるが、この点は気に入っている。

日本人はみな同じ髪色をしていると思われがちだが、よくよく見ると全てが同じ色というわけではない。そして髪の色素の薄さは、物語では何かしらロマンティックなものとして扱われる。色素が薄いことを美青年や美少女の条件にされる。実際当事者に生まれてみると、ロマンティックさはないことがわかる。色素が薄いこと、髪の毛が茶色いことに何かしらの物語を投影されるからこそ、当事者である私がどーでもいいエッセイを書いておこうと思ったのであった。


pixiv HAIRCHANGE2024への投稿

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