第4話 エレベーター

 やっとエレベーターが来たと思ったら、車椅子を押した背の高い金髪のお兄さんが、

「すみません!」

 と、駆け込み乗車ならぬ、駆け込みエレベーターをしてきた。

 こちらが七階のボタンを押してる時に、突っ込んできた。

 車椅子に乗せられた人は慣れているのか、にこやかに会話していたけど、こっちはぶつかられるかと思った。

 五階のレストランフロアで、降りようとしたので、開ボタンを押すと、

「ありがとうございます」

 とお兄さんは言い、車椅子に沈むように座った黒のニット帽をかぶったおじいさんも全身で笑顔を向けてくれたので、

 まあいいか

 で済ましてしまったけど。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る