第3話 お寿司
駅前のショッピングセンターのエレベーターホールで、エレベーターを待っていたら、
「お寿司食べた~~い~~!」
と、幼稚園の年長さんか、小学校低学年くらいの女の子の声が聞えてきた。
付き添いのじじばばのばばが、
「お寿司?ええけど。ほな、下やな」
と言って、私の隣にあるボタンを押した。
ーー上待ってるのに、下押さんといてくれる?
お寿司なんて、もうずいぶん食べてへんわ……。
贅沢やな。
と思いながら、隣を見ていたら、
「けえへんやん」
エレベーターは諦めたらしく、
「ほな行こか」
と、じじが言って、可愛らしく髪をふわふわにして、白とピンクのワンピースを着た孫を二人で挟むようにして、ばばが孫の手を引き、階段の方へと向かっていった。
お寿司って、そっちか。
スーパーの中に出来た販売専門のお寿司屋さんを思い出して、私は、
いいなあ、私も食べたい。
と思った。
それなら、私も食べられる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます