22話 地下への入り口
「ん〜?」
穴を覗くが暗くて良く見えない。とりあえずもっと顔面を近づけて限界まで目を見開いてみた。が、駄目だ。
もしかして、これ普通にただの穴だったりするのか?
「お前、何してんだよ」
おっと、醜態を見られてしまった。今の俺は地面に這いつくばっている。スピナーの引いたような顔を見ればどれだけ無様な姿をしていたのか想像できるな。
「いやな? 変な穴があったからなんか気になって覗いてみたんだよ」
「穴……どんなのだ!?」
「うおっ」
何やら迫真の顔でこちらに来た。無駄に整った顔が近づいてきて心臓に悪い。
「ほら、これだよ。これ」
指を差して示すと、スピナーは食い入るように見つめる。
「………これだ」
「え、何が?」
スピナーが呆れたような目を向けてきた。友人にそんな目を向けられて悲しいよ、ぼくちんは。
「だから、これなんだって」
「だから何がだよ!」
もっと分かりやすく言えよ、アァン? 三下のヤンキー風に首を揺らしながら睨みつけていると、真顔で睨み返された。
これ以上ふざけるのはやめておこう。
「さっきも言ったけどあそこに奇妙な石があったろ? あの細長いやつ?」
「え、あったっけ?」
「………」
「いやー! あったわ、あった! うんうん、確かにあった! いやー、あったなー!」
とりあえず、覚えてるフリをしていおいた。だってあいつの目にハイライトがなかったもん。暗殺者みたいな暗い目してたもん。
「もう良い。で、これを差し込んだら……」
スピナーが穴に差し込むと、ガチャリと音がした。龍の絵が描かれているが2つに分かれていく。
中から出てきたのは階段だ。
「なるほど。あれは覗く為の穴じゃなく、差し込む為の穴だったのか」
「俺はお前がいつもの奇行に出たのかと思ったよ」
「失礼な! 俺がいつ変な行動なんかしたんだ!」
「会った時はほぼ毎日」
え、そんな変な行動してるかな。もしかして自覚がないだけで結構してるのだろうか。やぁだ怖いぃ。
「馬鹿なことやってないで下降りるぞ」
「なんか埃っぽい感じするからここで待ってて良い?」
「…………」
「さーて、行くぞー! ほら、俺が先頭歩くから、ちゃんとついてこいよー?」
魔法袋からランタンを取り出して階段を降りていく。あいつがたまにやる目に光なし状態の真顔凝視は殺される予感がするので従うしかない。
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