14話 恨みは怖い
本当にどうしてこうなった。
人助けをしたはずなのに、次から次へと悪いことが起きている気がする。
それともこれは不幸ではないと言うつもりか?
確かに人によったら美少女達に会えるなんてことは幸せなのかもしれないが俺にとっては良くないことだ。
「………」
あー、後ろにまだ人の気配がする〜。早くどっか行ってくれないかなぁ。知らない人間が近くにいると気が散ってゆっくりできないんだけど。
「……ん?」
と、思っていると足音が横を通り過ぎた。チラリと見るとステラは去ることなく近くの木の影で体を丸めていた。
いや、どっか行けよ。
「ここ広くないんだからおひとり様限定だぞ」って、言えたら良いが、あいにく俺にそんな度胸はないのでもう気にしないようにした。
「………んぁ?」
目を開けるとすっかり夕暮れになっていた。
いつのまにか寝ていたらしい。
「あいつも帰ったのか」
なら、俺もそろそろ宿に戻るとするか。
鼻歌を交えながら帰宅した。終わりよければ全てよしとはよく言ったものだな。俺は今とても気分が良い。
「今日の飯はどうしようかな〜」
そんなことを考えながら宿に入ると、1人の男がテーブルに座っていた。灰色の髪に小さな身長、切れ長の目をこちらに向けた瞬間、一瞬目を見開いたかと思えば、すぐにニヤリと笑った。
俺は全力で回れ右をして店を出た。
「逃すかぁああ!!」
「ぐはっ!?」
ロケットダッシュからの腹にタックルを決められた俺は地面を滑った。スピナーはそのまま俺の上へ馬乗りをすると、指をパキパキと鳴らす。
「ずーっと、ここで待ってた甲斐があったなぁ。ようやく思う存分に殴れそうだ」
「ま、待て!! 話せば分かる!!」
「そうか、ならボコボコにした後で話は聞いてやるよ」
スピナーはドス黒い笑みを浮かべながら拳を振り上げだ。あ、これはもう聞いてくれないパターンの奴ですね。
だとするならば、今の俺にできることは目を閉じて祈ることだけだ。
あぁ、神よ。俺が一体何をしたと言うのですか?
「今日までの恨みぃいいい!!」
俺の1日の最後はスピナーが満足するまでボコボコにされたことで幕を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます