第2話 最初の罪人

 これが私の担当した最初の罪人だ。罪状不貞行為 名前 山川勇人。もちろん法で裁く事のできない人間だ。まず最初、事件資料に目を通す。事件が起きたのは罪人が中学1年生の時だ。小学校の頃から付き合っていた被害者 樫木優希を不当な理由で捨てた罪。不当な理由とはバスケ部の琴音という女と不貞行為をしていて気持ちが琴音に移ったからという。私は資料を読みながら、(こいつクズだな)と思った。テミスが立ち上がって私の所に来た。「舞花裁判官この人に裁判が必要ですか。」とテミスは私に言った。「これは裁判をする事なのでしょうか。」と私が言うとテミスは「ここは下界で裁けない人間を裁く場所ですから。」と言った。しばらく私は考えこみ、「裁判不要案件と考えます。」と言った。テミスは「あなたが担当しなさい。被疑者に事情を聞きもしも裁判が必要だと思ったら裁判をします。」と言った。私は山川勇人の家に行った。私は山川勇人に「天界裁判所裁判官の香崎舞花と言います。貴方に起訴状が出ています。なので幾つか質問に答えてください。まず1つ目なぜ優希さんを捨てたのですか。」と言うと山川は「琴音の方が可愛かったし優希にはもう飽きたっていうか、あいつ面白くないんだよな。」と言った。私は続ける「2つ目です。優希さんには今どのような気持ちですか。」と聞くと山川は「別になんとも。今は琴音が好きだし、てか彼女捨てたから犯罪な訳ないやん。俺は罪を犯したてないし反省することも悔いる事もありませんー」と言った。私は書類を取り出し判子を押した。山川が「なんだそれ」と言った。私は「すみません。今の話を聞いて私は気が変わりました。貴方は起訴妥当と判断し書類に裁判所の判子を押しました。罪状 不貞行為。では法廷でお待ちしております。」と言った。1週間後の夜山川が法廷に連れて来られた。私とテミスは法服を着て法廷に向かう。そして開廷した。私の調書と事件資料をテミスが見た。天界裁判所では判決を出すだけだ。しかも裁判は無罪か死刑かの2択だ。稀に違う判決が出るらしい。テミスがガベルを叩く。テミスが「被告人には反省がなく極めて身勝手な理由で樫木優希を傷つけた。それは許されることでは無く極めて許しがたい。死刑を言い渡す所だがしかしまだ被告は若い樫木優希に懺悔し今後真っ当な道を進みなさい。それができないなら死刑を言い渡します。」と言った。山川は「謝罪します。」と泣きながら言った。私はここで仕事をようやく理解した。

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