兄の後を追う。

関谷愛《せきや あい》は、中学二年の終わりに、突如亡くなってしまった兄の事が知りたかった。
兄は大学進学も決まっていたのに自ら命を絶った。
持病の喘息がある関谷愛は心因性の発作により入院し、通夜も告別式も出られず、その後両親は何かを隠すように兄の事を秘密にしてしまう。

兄の後を追うように兄が通っていた高校に進学した関谷愛。
兄の事を調べる中、発作に見舞われた関谷愛を保護した新田樹《にった いつき》。

新田樹の独特の距離感に周りとの距離も縮まっていく。
だが、それにより噂しか出ていない兄の死について知りたい連中から何か知らないかと聞かれてしまう。
新田樹の仲裁と行動で担任の三ノ輪から僅かばかりの情報をもらう中、関谷愛も知る蒲生葉子《がもう ようこ》の名前が出てきた。

蒲生葉子は毎年お線香…続きを読む