某日　東京大手町　高級スイートルーム

「はい、これが頼まれてた魔物と神のリストだよ

　伝記や小説の一般的なものから、アニメやゲームの攻略本からチョイスしたよ

　このUSBメモリーに入れてあるから」

「ご苦労様　助かります」

「ちなみに、妖精だとか獣人とかも入れといたから

　今までのと重複してるのもあるだろうけどさ、新しいのも入ってるから」

「あら、ホント？　それはありがたいわ

　選別はあの子がやるだろうから、問題ないわ」

「今日で作り始めてから７日目だ　休みの日じゃないのか？」

「本来は休みなんだけど

　今回のは、"魔物と神"を加えてみようと思って」

「へぇ～　神をも創造しちゃうとは…　恐ろしいね

　それで、次は何をすれば良いのかな？」

「ここ（現在）を含めて、６つの平行世界で部屋（出入口）を作って欲しいの

　できれば年代もバラバラで探してほしいかな…

　《今回は》悲しみを背負ってる感じの人で…」

「悲しみを…ね…　それなら…　岡島君か

　平行世界は土田さんだろ…　年代なら千葉さんだな　私は部屋だね」

「お願いして良いかしら？」

「勿論　私からお願いしてみるよ　それで完了なのかい？」

「そうね・・・　今回は送った日時から１００年後にも、

　１人か２人モニター（プレイヤー）を配置しようかなって」

「１００年後に配置？　どうして？」

「たった数人の日本人の知識や見識が、未来にどんな影響を及ぼすのか…

　現代の人に行ってもらって…　見てみたいのよ　そんな未来を…　

　どこにどんなヒントがあるか分からないじゃない…

　良い案やアイテムが見つかるかもしれないし…」

「・・・・・・　確かにそうだな…　打てる手は幾らでも打てば良いさ…

　過去の日本人の影響を、未来で目の当たりにするってのも面白そうだ

　それでモデル（国）はどこで、どの年代なのかな？」

「ヨーロッパ的なイメージで、アニメとかゲームのような…

　剣と魔法の世界で、"ナッシュトルティーヤ大陸"って名前にしたの

　年代は１６００年くらいかな？　いつも通り成り行きに任せる感じ

　ヨーロッパ的なその世界が、日本人の感覚と混じるとどうなるのか…」

「君のスキル（能力）だ　ルールさえ守れば、そこは好きにやれば良い」

　

「そうね…　気を付けます　では、６人ほどお願いしますね」

「あぁ、電話してから行ってくるよ」

　謎の女性　スキル(能力)　天地創造（プロジェクト・アース）

　球のない地球儀(魔道具)に、疑似的なミニ地球【地球？号】を創り出せる能力

　創り出した地球？号では地球と同様に、実際に人間が誕生して生活を営む

　土壌の広さは、現在の地球の広さ以下なら任意で決められる

　全世界が特定の国のみだったり、形や広さを自由に設定できる　

　地球？号では、フィクションや想像を反映する事ができる

　創造主自身は、地球？号に行かずに俯瞰で観る事ができるが、会話は聞けない

　地球？号に実際に行く事ができるし、人も連れて行ける　※要別スキル

　創造主は地球？号内で、各種影響力を持ってはならない

　創り出した地球？号は、人類滅亡後に削除でき、新たな地球？号を創り出せる

　地球？号内での言語は、創り出す度に変化するが、

　創造主の設定により、異世界人（参加者）は読み書き全てを理解し会話もできる

　現在制作中の地球？号は、【地球９号】

　同時に作り出せる【地球？号】の上限は２個まで※

　※現在の地球の大きさを１００％とし、

　稼働中の【地球？号】を１００％で制作した場合、２個目の製作はできない

　つまり、２つのトータルが１００％以下ならば製作は可能

　最小の基準もあり　３０％未満の【地球？号】を創り出す事は可能だが、

　人（参加者）を送る事はできない

　

　謎の男性　スキル(能力)　あちらの世界（ドア）　窓のない部屋（部屋）　

　謎の女性がプロジェクト・アースで創り出した疑似的な地球【地球？号】に

　行く事ができるドアと部屋を創る能力

　同時に設置できる上限は、【ドア１３枚】と【部屋は１３室】

　上限を超えて新しいドアと部屋は創れない

　【地球？号】に行く為だけの能力ではあるものの、他に使い道はある

　あの子　　スキル(能力)　？？？

　２日後・・・

「おまたせ」

「ご苦労様でした　どんな方が見つかったの？」

「これがリストだよ　しかし…　頼まれて分かったんだけど

　みんな大なり小なり悲しみを背負っているんだね…」

　

「・・・・・・

　岡島君、土田さん、千葉さんに、何か美味しい物を贈っておきますね」

「あぁ、そうしてくれ」

　謎の女性は、リストを熟読して数時間経過・・・

「この６名でお願いします」

「おっ、決まったのかい？　どれどれ・・・

　ふんふん…　他の人は概ね納得なんだけどさ…　この女の子は…

　悲しみの数値は、他の人と比べたら低いんじゃないのかい？

　内容もなんだか幼稚だし…」

「あら…　悲しみの度合いは人それぞれでしょ？

　この子にとっては、とっても悲しいんだから仕方ないじゃない」

「そうは言っても内容がさぁ・・・」

【粘土がカチカチになった】【ダンゴムシを踏んだ】【鉛筆を噛んで怒られた】

【アニメを観逃した】【ママがカップ麺を禁止にした】【パパが疲れている】

「うふふ　どの理由も子供らしいじゃない

　悲しみも、大小様々な形がある証拠でしょ？

　これにこの子名前が…　多分知り合いのお孫さんかも…？」

「まぁそうだけどさ…　知り合いの孫かもって…　良いのかよ…

　では、この６人で決定で良いかな？」

「ええ　それで良いわ　その６人でお願いします」

「了解！　彼らの救済措置(※１)は、忘れずにな」

「もう千鶴子と千鶴江には言ってますよ」

「なら大丈夫か　では、行ってくるよ」

「気を付けて・・・」

　千鶴子と千鶴江　スキル(能力)　君との約束　（マタアイマショウ）

　２人で１つの能力

　※１【地球？号】に招待した人物の、本来あるべき現在と未来を変えてしまう為、

　補填的意味での能力　一方の世界に戻ると時間が・・・

　

　岡島君　スキル(能力)　悲しみは青より深く

　幸福度MAX１００％中、５０％以上の悲しみを持っている人が分かる能力

　悲しみの内容と度合いが、棒グラフに表れて分かるようになる

　悲しみが深く強い内容ほど、濃い青で見える

　岡島君はこの能力をナンパに使っている

　

　招待者リスト（仮）

　グループＡ　１９８６年　？？吾作　　５５歳　男　銀座

　妻と子供を同時に亡くしてしまった過去がある　たばこ店経営

　

　グループＢ　１９９９年　？？浩介　　４２歳　男　台場

　元人気看板アナウンサー　後輩に嵌められて異動　スポーツ実況が得意

　

　グループＣ　２００９年　？？沙弥　　２５歳　女　錦糸町　

　浮気性の彼氏に振り回されているキャバ嬢

　

　グループＤ　２０２２年　？？亮平　　 １８歳　男　河田町

　グループＤ　２０２２年　？？ミチル　 ２０歳　女　河田町

　プロボクサーとシンガーソングライターの夫婦

　共に契約解除され、ジムと事務所を去った

　グループＥ　２０２４年　◎木野村ちせ　１４歳　女　北砂

　極々普通の中学生

　その後謎の女性は、古くからの友人に連絡を取り

　１人のモニター（参加者）を追加した・・・