第42話 プロポーズ

 私、エリム

劇団ジェシカの劇団員だ。


 最初は私とジェシカの2人だけだったが、今は何人か劇団員が集まった。


 何度か公演をしたが好評が続き、今ではあちこちで演劇を披露している。


 お芝居は楽しいし、女優になって本当に良かった。


「次の舞台に使う小道具準備できた?」


「はい!できました!」


 今、私は次の舞台に使う小道具の確認を行なっていた。

小道具は舞台で使うので大事だ。


「助かるよ。ありがとう」


「いえいえ。お芝居の役に立てて光栄です!」


「エリム、ちょっと」


 ジェシカから呼ばれた。

なんだろう?


「はーい。じゃあ向こう行ってくるね」


「はい!」


 そして私はジェシカがいるところに行った。


「ここの台詞なんだけど...」


「ここは...」


 ジェシカと台本を持ちながら私と話す。


「それ良いわね!」


「うんっ!」


 ジェシカのお芝居に対する情熱は熱い。


「にしてもまさか私たちで劇団を始めるなんてね...」


「そうだね」


 私とジェシカは学生の頃からの仲だ。


「ジェシカ、今日の夜って大丈夫?」


 私はジェシカに伝えたいことがある。

しかし夜に伝えたいので夜は大丈夫かどうかを聞いてみる。


「夜?えぇ大丈夫よ」


 大丈夫そうだ。

これから伝えられる。


「良かった。じゃあ雑貨屋の近くのレストランに行こう」


「分かったわ」


「ありがとう」


 ジェシカと雑貨屋の近くのレストランな行くことを決めた。

私とジェシカがよく利用するレストランだ。

まず最初はここでムードを作る。


 そして食事を食べ終えたその後


 私はジェシカにプロポーズをする。


 ジェシカと付き合い始めてから暫く経った。

私はジェシカ付き合ってからも更にジェシカに対する愛が深まっていった。


 もっとジェシカの側にいたい。

もっとジェシカを知りたい。


 なので私は今日、プロポーズをする。


 ジェシカがどんな反応をするのかはまだ分からない。


 けれどジェシカに対してこの気持ちは伝えたい。


 そして今日の練習を終えて私とジェシカはレストランに行く。


「ん〜美味しいわ〜」


「そうだね」


 相変わらずジェシカは沢山食べるが食べる姿は可愛いので食べる姿を見ているだけで幸せになれる。


「あのさ。この後、行きたいところあるんだけど良い?」


「大丈夫よ」


「じゃあ、行こっか」


 いよいよプロポーズだ。

プロポーズする場所は既に決まっている。


「あれ?ここ、展望台?」


「そう。とりあえず上行こっか」


 ここ、フロンティア学園の前にある展望台だ。

どこにしようか迷っていたが、付き合ったここが1番良いだろうと私の中で判断し、ここでプロポーズすることを決めた。


 ジェシカと一緒に階段を登る。

指輪の準備はできている。後はこの気持ちを伝えるだけだ。


「ここやっぱり景色綺麗ね」


 展望台の上に登り、ジェシカは景色を眺めている。


「そうだね」


 私も一緒に景色を眺める。

本当にここから見る景色は綺麗だ。


「…ねぇ、ジェシカ…私と付き合ってて…幸せ?」


 景色を見ながら話を持ち出す。


「何言ってるのよ。幸せに決まってるじゃない。エリムったら…私はエリムと一緒にいれて…付き合えて…幸せよ」


「良かった…私も…幸せ」


 ジェシカは私と一緒にいて幸せよと言ってくれた。

流れは今のところ良い。


「何よ改まって〜」


「実際口で聞いてみたかったからつい…ね」


 私はこのままジェシカの方を向く。


「エリム?ど、どうかしたの?」


 ジェシカは私が何も言わないまま振り向いてきたので疑問を持つ。


 いよいよ私のこの気持ちをジェシカに伝えることができる。


 緊張しつつではあるが、深呼吸をする。


 そして。


「ジェシカ、大事な話があるんだ」


「何よ?良いわよ。言って」


 ジェシカとはこれまで色々な思い出を作ってきた。

手紙だったり体育祭だったり文化祭だったりと…


 今、私はそのジェシカにプロポーズをする。


「ジェシカ…」


 私は指輪を箱から開けて出して。


「私と結婚してください」


 遂に伝えた。

ジェシカはどう答える?


「え…エリム…?結婚!?」


 ジェシカはプロポーズなので驚いている。

だけれど。


「…良いの?結婚…私…エリムとしても良いの…?」


 ジェシカは泣きそうになりながら私に聞いてくる。


「うん…ジェシカと結婚したい…」


 迷わずに私は答える。

ジェシカが良い。ジェシカと結婚したいんだから。


「エリム…喜んで」


 ジェシカは喜んでくれた。


「嬉しい…嬉しい…」


 今度は私が泣きそうになってしまう。

夢にまで見たジェシカとのプロポーズをここで成功させることができたので思わず声が出てしまった。


「ねぇエリム、さっきの質問。もう1回返事しても良いかしら?」


「うん。大丈夫だよ」


 さっきの質問はなんだったけ?と一瞬思い出そうとしたが、すぐに思い出した。

プロポーズの前にした幸せの質問だ。


「私、今…エリムからプロポーズされて…すっごく幸せよ!」


「私も!」


 ジェシカはそのまま私に抱きついてきた。


「ずっと一緒よ…エリム」


「ジェシカ…」


 これからはジェシカと結婚生活を送る。

2人で幸せを分かち合える。そんな仲になっていきたいとこの日、心から願った。

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