第24話 ベルリスと行方不明・前編

 私、エリム


 最近、街で誰かが行方不明になる事件が多発している。


 しかもその中には私が通うフロンティア学園の生徒も2人いる。


「厄介よね。行方不明なんて。早く見つかると良いわね」


「そうだね」


 私と友達のジェシカはその話を放課後にしていた。


「じゃあ気を付けて帰りなさいよ」


「分かった。ジェシカもね」


 ジェシカはミシェルと帰るみたいなので私は1人で帰ろうとした。


 だが。


「きゃー!」


「ジェシカ!?」


 外でジェシカの悲鳴が聞こえた。


「これは...」


 外にジェシカがいつも使ってるハンカチが落ちていた。


「まさか...」


 先程の話の流れからするとジェシカは行方不明になってしまったのではないか?


 心配になった私は近くにいた生徒に聞いてみる。


「ジェシカちゃん?見なかったけど...」


「え?ミシェルと一緒じゃないの?」


 色々な生徒に聞いてみたが、手掛かりが見つからない。


 一旦、ジェシカの家に行ってみる。


「すみません...ジェシカ、帰って来てませんか!?」


「そっちにはいないの!?困ったわね...」


 ジェシカの母親がいたので聞いてはみたが、まだ帰ってない模様。


「まずいっ...私、ちょっと探して来ます!」


 その場から走ってジェシカを探しに行く。


 ジェシカは私の大切な友達だ。


 絶対に見つけ出す。


「あれ?ベルリス?」


 ベルリスが真剣な顔をして歩いていた。


「あぁ...エリムか」


「何してたの?」


「ここ最近、誰かが行方不明になる件が多発している。だから、私たち騎士は捜索をしていたところだ」


 騎士の皆もやはりこの行方不明になる件は気にしていた。


「あのさ?私と同じ制服着たツインテールの子、見なかった?」


 ジェシカを見ていないかどうかをベルリスに聞いてみる。


「同じ制服...ツインテール...いや、見てないな」


「そっか...」


 ベルリスも見ていなかった。


 そうなると、ジェシカは本当に行方不明になってしまったのか?


「探しているのか?」


「うん...私の大切な友達だから...」


 もしジェシカが見つからなかったらどうしよう?


 私はそう考えてしまい涙が出そうになってしまった。


「...一緒に探そう」


「本当?」


「あぁ。私はこれまで何度もエリムに助けてもらった。だから、エリムのその...大切な友達を探すのを手伝おう。寧ろ、手伝わせてくれ」


「ベルリス...」


 1人で探すよりも誰かと探した方が見つかりやすくなるかもしれない。


 なので、ベルリスがここで手伝ってくれるのは頼もしい。


「ありがとう...ベルリス!やっぱりベルリスは最高の騎士だよ!」


「か...感謝する。では、行こう」


 私がお礼を言うとベルリスは照れる。


 可愛い。


「じゃあまず街の人とかに手分けして聞こっか」


「そうだな」


 2人で手分けして街の人にジェシカを見なかったかどうかを聞きに行く。


「どうだった?」


「誰も...見てないと言ってた」


「私も聞いてみたけど...うん」


 私は街の人に一通り聞いてみたが、誰も見てないと返答をした。


 ベルリスも同じく街の人に一通り聞いてみたらしいが、返答は同じだったみたいだ。


「先輩!大変です!」


 突然、ベルリスの前にベルリスの後輩が現れた。


「なんだ?」


「先程、騎士4人が行方不明になりました!」


「なんだと!?」


 ベルリスのところの騎士も4人行方不明になってしまったらしい。


 かなり大事になってきてしまっている。


「手掛かりは...手掛かりは何かないのか!?」


「分かりません...ただ...」


「ただ?」


 後輩が何か言いたそうにするが、下を向く。


「いえ...何もありません」


「いや、言ってみろ!何か手掛かりになるかもしれない!」


 後輩は言いたくなさそうにするが、ベルリスはそれを聞き出す。


「今日、夜に森の見回りの任務がある騎士がいます。そこでまた誰かが行方不明になってしまう可能性が...」


「よし、その任務は私が引き受けよう。その騎士は自宅待機だ」


「ですが...先輩にもしも何かあれば...」


 後輩はベルリスに何かあって欲しくなかったからかこの話をしなかったみたいだ。


「私は先輩だ。先輩だからこそ、後輩を守っていきたい。後輩を守り、行方不明になるぐらいなら寧ろ本望だ!」


「せ、先輩...分かりました。気を付けてください」


 ここで、ベルリスがかっこよく見えた。


 後輩の為に危険かもしれない任務に行くなんてかっこいい。


「勿論、エリムは連れて行く」


「ですよね」


 ベルリスはいつものベルリスだった。


 そして、夜になった。


「行くぞ!」


「ベルリス...無理はしないで」


 私とベルリスは森に入り、見回りを始めた。


「何もいないね...」


 いつもならモンスターがいる森だが、いない。


 夜だし出てくるには丁度良いはずなのにいないのは何かがおかしい。


「ベルリス...あれ!?」


「なんだ?」


「ベルリス...浮いてる...」


 なんとベルリスが浮いていた。


「何!?...エリムも浮いてるぞ!?」


「はぁ!?」


 私も浮いていた。


「上を見ろ!あれは...」


「あれ..UFO!?」


 なんと上にはUFOがいた。


「助けてぇぇぇ!」


「うおぉぉ!私はUFOには怯まない!」


 と言いながら、ベルリスは震えながら浮いている。


「わぁっ!」


「なっ!」


 私とベルリスはUFOの中に入ってしまった。


「ここは...UFOの中?」


 私は辺りを見回す。


「あれは...ジェシカ!」


 ジェシカはカプセルの中に閉じ込められていた。


「こっちにも!」


 ジェシカだけではなく、行方不明になってしまったフロンティア学園の生徒もカプセルに閉じ込められていた。


「騎士もいる...」


 ベルリスが探していた騎士もカプセルに閉じ込められていた。


「誰かが入ってくるぞ!」


 突然、ドアが開いた。


 そこから現れたのは。


「ワレワレハウチュウジンダ」


「う、宇宙人!?」


 なんとなく予想はしていたが、エイリアンな姿をした宇宙人が現れた。


 次回、エリム&ベルリスVS宇宙人!

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