そして輝く一等星となる
クレイ
眺望の魅
『世界のプレイヤー達を見てくれ!
これが、水の都の、精霊だぁぁぁ!!』
【ニーズヘッグゥ!!】
「放送席、放送席、本日は此処の最高峰の戦い『
アクロポリスからスピカニーズヘッグさんに来ていただいております。
優勝おめでとうございます。」
カメラマンもインタビュアーもニーズを目の前にして緊張を隠しきれていないようだ。
目の前にいる葦毛の覇者、ニーズにアポを取っているとはいえインタビューするなんてどれ程の胆力が必要なのだろうか。
「ありがとうございます。」
そんな緊張すら蹴り飛ばす上機嫌なニーズの朗らかな顔!
「10代からの出場、そして複数回の勝利は歴代初と言うことですが。」
「史上初の記録を歴史ある円月競技場で刻めたことは自分にとっても大変光栄です。
今後も勝利記録を伸ばしていけるように精進します。」
格好も相まってか溌剌とした印象を受ける彼女はまるで未来の希望に満ち溢れた少年のように見えた。
「いつもはトリッキーな動きをしますが本日のラストの対戦は正に王道を往くような動きでしたが、どのような心境で望まれました?」
淑やかで柔らかな弧をかいた目がくっきりと開き真剣な瞳がカメラを射ぬいた。
佇まいを直してまっすぐと向き合い誘い込むような声で口を開いた。
「彼方さんとは私の幼い頃から知る長い仲ですし、あの子達が此方に来た時に大変良くしていただきましたので……私の全身全霊を賭けてお相手させていただきました。
あの人には小細工をして不意を突いて動くよりも正面切って立ち向かう事が一番なのです。」
ふふんっと言わんばかりのどや顔をして続けてこう言った。
「戦うことに絶対はないですが
私には絶対があるのです。
それが崩れない限り何人たりともこの王者の座を譲りません。」
感嘆、どよめき、混沌の声が上がる。
我が国が誇る元帥の宣戦布告なのだ。
「この覇者を倒せるものなら倒してみろ」と
「堂々とした宣言ですねぇ。
では最後に今後の展望などをお教えいただけませんか?」
「はっきりとは決まっておりませんが国内路線で新たな道を見つけたのでそちらを目指そうかと思いまして。」
国内路線では最初にジュニアではファストティアラ、クラシックではティアラ三冠を、シニアではダブルティアラ三冠、春・秋三冠を年月をかけて取っていった。
一つ達成するだけでも年度代表トレーナーレベルの偉業。
それすらを凌駕する新たなる道とは一体なんだろうか。
「詳しい事については後日、アクロポリス国軍の広報部から説明させていただきます。
これからも新しい挑戦を目指していきます。」
「素敵な締め括りありがとうございます!
では、スピカニーズヘッグさんでした!」
『スピカニーズヘッグ、国内路線全冠を目指す!』
そして輝く一等星となる クレイ @virginqueen
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。そして輝く一等星となるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます