ゼロの軌跡(白の系譜)

仲仁へび(旧:離久)

プロローグ

第1話 1番目の世界について



 かつて、一番目の白の世界が語られた。

 その白の世界は、全てが無に還り、誰も救われる事なく、何の意味もなく終わった。

 登場人物たちは、全て余すことなく、不幸になり。

 その世界に生きる者達は、一人残らず死滅した。


 誰かがその箱庭を用意し、登場人物と舞台を整えた。

 その誰かの目的は、器を作り出す事だった。


 しかし、彼の目的は実験が終わった今でも、果たされていない。

 だから、次の舞台が用意されるのは必然だったのだろう。


 彼はまた繰り返す。

 語る必要のない物語を。

 何の意味もない物語を。

 報われる事のない物語を。


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